「弾き語りをするとき、自分の声域がどのくらいなのか、はっきりわかっていない」「なんとなく高い・低いはわかるけど、具体的な音の範囲を知らない」——過去記事でキーの決め方をご紹介しましたが、そもそも自分の声域を正確に把握できていないという50代の方も多いのではないでしょうか。
自分の音域を把握していないと、無理な高さの曲を選んで喉を痛めたり、低すぎてメロディが聞こえなくなったりすることがあります。この記事では、50代のギター再開者向けに、自分の声域をチェックする具体的な方法を解説します。
■ 「音域」と「声域」の違いを知っておく
自分の声を測定する際、実は2つの似た言葉があります。
▼ 音域とは
声として物理的に出せる、最低音から最高音までの全範囲を指します。専門的には「生理的声域」とも呼ばれ、奇声のような音まで含めた、限界に近い範囲です。
▼ 声域とは
音域の中でも、歌でコントロールして安定して使える範囲のことです。専門的には「声楽的声域」と呼ばれます。曲選びやキー調整では、この「声域」を基準にすることが大切です。
ギリギリ出る音を基準にしてしまうと、実際に弾き語りをする際に「思ったより歌えない」ということになりがちです。安定して使える範囲を知ることが、実用的なチェックのポイントです。
■ 自宅でできる音域チェックの方法
▼ ステップ1:地声の最低音を調べる
ギターやスマートフォンの無料ピアノアプリで、真ん中の「ド」(C4)から1音ずつ下げていきます。それぞれの音を「アー」と発声し、無理なく出せる一番低い音をメモします。かすれて聞き取れなくなる手前の音が、地声の最低音です。
自分が出しやすい音から半音ずつ下に降りていき、「息が漏れてほとんど声にならない音」または「ノイズが混じってしまう音」が最低音の目安です。
▼ ステップ2:地声の最高音を調べる
同じく真ん中の「ド」から1音ずつ上げていきます。裏声に切り替わらず、地声のまま出せる一番高い音をメモしましょう。喉に力が入りすぎたり、声が割れたりする手前が限界です。
出しやすい音から半音ずつ上げていき、「これ以上はもう無理」と感じる高さの限界を探ります。このとき、喉を締めて無理に高い声を出すのは、喉に負担がかかるので避けましょう。
▼ ステップ3:裏声の最高音も調べる(余裕があれば)
裏声(ファルセット)で、痛みなく出せる一番高い音も確認しておくと、より詳細な自分の声の全体像がつかめます。
■ ギターを使った音域チェックのやり方
ギターを持っている方であれば、ピアノアプリの代わりにギターの音を基準にすることもできます。
各弦の開放弦やフレットの音を鳴らしながら、「ドレミファソラシド」の音階(過去記事「五線譜が苦手な人のための基本の読み方」も参考にしてください)を出していき、無理なく声が出る範囲を確認していきましょう。
チューナー(過去記事参照)を使えば、実際に自分が出している音の音名を正確に確認することもできます。
■ 便利なアプリの活用
自分でピアノアプリを操作しながら確認するのが難しい場合、専用の音域チェックツールやアプリを活用する方法もあります。
▼ 音域測定に特化したアプリ
自分が出している音を、その場でリアルタイムに調べてくれるアプリも存在します。ピッチ(音程)を正確に測定してくれるため、初心者が動画だけで調べるより、ズレを防ぎやすいというメリットがあります。
▼ 測定時の注意点
曲選びやキー調整では、ギリギリ出る最高音ではなく、安定して出せる最高音を基準にすることが大切です。測定は、スマホアプリかブラウザのツールで、同じ環境で2〜3回試してみることをおすすめします。
■ 声域測定で気をつけたいこと
▼ 無理に声を絞り出さない
「楽に出せるギリギリの音」を探すイメージで試すことが大切です。無理に声を出そうとすると、正確な測定ができないだけでなく、喉を痛める原因にもなります。
▼ 男性特有の注意点
男性の場合、低音部を強く出すと音がシャープして外れやすくなる傾向があります。小さく適正な音量で出すように注意すると、より正確に測定できます。
▼ 1回の測定にこだわりすぎない
声のコンディションは日によって変わることもあります。何度か測定してみて、平均的な範囲を把握するくらいの気持ちで臨むと良いでしょう。
■ 自分の声域を知ることで得られるメリット
▼ カポの位置を決めやすくなる
過去記事「弾き語りのキーの決め方」でも触れたように、自分の声域がわかっていれば、カポを何フレットに装着すれば良いかの判断がスムーズになります。
▼ 無理なく歌える曲を選べるようになる
声域が合っていない状態で歌うと、サビが苦しい歌い方になったり、勝手に声が裏返ったりすることがあります。事前に自分の声域を知っておくことで、こうした問題を避けやすくなります。
▼ 弾き語りの練習効率が上がる
自分の得意な音域を把握しておくことで、練習する曲選びの精度が上がり、無理のない練習を続けられるようになります。
■ 声域は年齢とともに変化することもある
50代になると、若い頃と比べて声域が変化していることも珍しくありません。以前得意だった高音域が出しにくくなっていたり、逆に低音域の安定感が増していたりすることもあります。
久しぶりに弾き語りを再開する方は、若い頃の感覚のまま曲選びをするのではなく、今の自分の声域をあらためて確認しておくことをおすすめします。
■ 50代がこの知識を持つメリット
▼ 喉への負担を減らせる
無理な高さの曲を避けることで、喉への負担を減らしながら、長く弾き語りを楽しめます。
▼ 自分に合った曲選びができるようになる
過去記事「昭和フォーク弾き語り10選」「洋楽の弾き語りおすすめ10選」「邦楽ロック弾き語り名曲10選」でご紹介した曲の中からも、自分の声域に合ったものを選びやすくなります。
▼ 演奏への自信が深まる
自分の声域を客観的に把握していることは、演奏への安定感と自信につながります。
■ 50代が音域チェックに取り組む際のアドバイス
▼ 焦らず、まずは大まかな範囲を把握する
細かい音名まで正確に把握する必要はありません。まずは「だいたいこのくらいの範囲が出しやすい」という大まかな感覚をつかむことから始めましょう。
▼ 定期的にチェックしてみる
声のコンディションや体調によって、声域は変化することもあります。定期的にチェックすることで、自分の変化にも気づきやすくなります。
▼ 無理のない範囲で楽しむ
音域チェックはあくまで、より快適に弾き語りを楽しむための手段です。数値にこだわりすぎず、楽しみながら取り組みましょう。
■ まとめ:自分の声域をチェックする方法
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① 用語を理解する | 「音域」(出せる範囲)と「声域」(歌える範囲)の違い |
| ② 最低音を調べる | 半音ずつ下げていき、無理なく出せる限界を探す |
| ③ 最高音を調べる | 半音ずつ上げていき、無理なく出せる限界を探す |
| ④ 道具を活用する | ピアノアプリ・ギター・専用ツールを使う |
| ⑤ 無理をしない | 楽に出せる範囲を基準にする |
自分の声域を正確に把握することは、弾き語りをより快適に、長く楽しむための大切な第一歩です。50代のギターライフに、ぜひこのチェックを取り入れてみてください。
■ 弾き語りの練習をプロと一緒に進めたい方へ
自分の声域に合った弾き語りの練習法は、オンラインレッスンでプロに相談すると具体的なアドバイスが得られます。


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