「教則本を買ったが、3ページで止まっている」「レッスン動画をたくさん見たのに、弾けるようになった気がしない」——独学で進めている方の多くが経験することです。
教材が悪いわけでも、意志が弱いわけでもありません。使い方が決まっていないことが原因であることが大半です。
この記事では、教則本と動画をどう使うかを整理します。
■ 教材が続かない3つの理由
▼ ① 順番通りにやろうとしている
教則本は最初から順に進む構成になっていますが、再開者は「すでに知っていること」が混ざっています。知っている内容を延々読むことになり、退屈で止まります。
▼ ② 複数の教材を同時に使っている
本を1冊、動画を3チャンネル、アプリを2つ——こうなると、それぞれが少しずつ違うことを言っており、混乱します。
▼ ③ 「見る」で終わっている
特に動画で起きやすい問題です。見ている間は理解した気になりますが、ギターを持たなければ何も身につきません。
■ 教則本の使い方
▼ 通読しない
最初から最後まで読む必要はありません。目次を見て、自分に必要な章だけを選んでください。
再開者であれば、「ギターの構え方」「チューニング」といった最初の章は飛ばして構いません。
▼ 1冊を最後まで使い切る
複数買わないでください。1冊を選び、その中で自分に必要な部分をやり切ってから、次を検討します。
「基礎編」「コード編」「スケール編」とまとめ買いして、どれも中途半端になるのは典型的な失敗です。
▼ 付属音源を必ず使う
多くの教則本に、演奏例や伴奏音源が付いています。これを使わないのは、教材の半分を捨てているのと同じです。
▼ 書き込む
教則本は資料ではなく道具です。うまくいかない箇所に印をつける、日付を書く、気づきをメモする。これで自分専用の教材になります。
■ 動画レッスンの使い方
▼ 1本を繰り返し見る
新しい動画を次々見るより、1本を何度も見るほうが身につきます。動画は情報量が多いので、1回では拾いきれません。
▼ ギターを持って見る
見ながら止めて、実際に手を動かす。この往復がないと、知識は増えても演奏は変わりません。
▼ 手元がよく映っている動画を選ぶ
説明が上手でも、手元が見えなければ真似できません。左手のフォームがはっきり映っているかを基準に選んでください。
▼ 速度を落とす
動画の再生速度は変更できます。0.75倍や0.5倍にすると、指の動きを追いやすくなります。50代の再開者には特に有効です。
▼ 見る本数を制限する
「今週はこの1本だけ」と決めてください。次から次へと見るのは、練習ではなく情報収集です。
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■ 教材の選び方
▼ 教則本が向いている場合
・体系的に順を追って学びたい
・手元に置いてじっくり読み進めたい
・書き込みながら進めたい
▼ 動画が向いている場合
・実際の動きを見て真似したい
・特定の技術だけをピンポイントで知りたい
・無料で始めたい
▼ 併用する場合
教則本で全体の流れを把握し、分かりにくい箇所を動画で補う。この組み合わせが最も効率的です。逆はうまくいきません。
■ 「情報を集める」と「練習する」を分ける
これが最も重要な区別です。
| 行為 | 内容 | 上達への効果 |
|---|---|---|
| 情報収集 | 動画を見る、本を読む、記事を読む | 間接的 |
| 練習 | 実際にギターを持って音を出す | 直接的 |
情報収集は楽しく、達成感もあります。しかし、それだけでは弾けるようになりません。
練習時間を確保したうえで、情報収集は別枠にしてください。練習30分の中に動画視聴を含めると、実質の練習時間は10分になります。
■ 教材を変えるべきタイミング
▼ 変えたほうがいい場合
・レベルが合っていない(易しすぎる、難しすぎる)
・説明が理解できない
・自分の目的(ジャンル、弾き語りかソロか)と合っていない
▼ 変えないほうがいい場合
・飽きた
・進みが遅い
・他の教材が良さそうに見える
後者の理由で教材を変えると、いつまでも最初の章を繰り返すことになります。
■ 独学の限界を感じたら
教材を正しく使っても、次のような状態が続く場合は、教材では解決できない問題かもしれません。
・自分のフォームが正しいか判断できない
・同じ箇所で数週間止まっている
・痛みが出る
これらは、第三者に見てもらうのが最も早い解決策です。無料体験レッスンでも、原因の特定には十分役立ちます。
▶ レッスンを受けるべきか迷ったときの判断ガイド
▶ ギター独学の限界と音楽教室のメリット
■ まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 教則本 | 通読しない、1冊を使い切る、付属音源を使う |
| 動画 | 1本を繰り返す、ギターを持って見る、速度を落とす |
| 併用 | 本で流れを把握、動画で補う |
| 最重要 | 情報収集と練習を分ける |
| 変えるとき | レベルや目的が合わないとき |
教材は増やすより、使い切るほうが効きます。まずは今持っている1冊を開いてみてください。


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