50代からのギター再開|原曲通りに弾けないときは、弾ける形に変えていい

ギター練習

「好きな曲を弾きたいが、原曲のギターが難しすぎる」「コード譜通りに弾こうとすると、どうしても指が届かない」——弾きたい曲と実力の差に直面するのは、再開後によくあることです。

このとき、多くの人は「もっと練習してから」と考えて、その曲を諦めます。しかし別の選択肢があります。弾ける形に変えてしまうことです。

この記事では、曲を簡略化して弾くための考え方と具体的な方法を整理します。


■ 「原曲通り」は目標のひとつに過ぎない

まず前提として、原曲の再現は数ある目標の中のひとつです。

・原曲では複数のギターが重ねて録音されている
・スタジオ機材と自宅の環境は違う
・プロが何年もかけて身につけた技術で演奏されている

これを1本のギターで完全再現するのは、そもそも設計上無理があります。

弾き語りの場面では、歌が主役です。ギターが原曲と違っても、曲としては十分に成立します。


■ 簡略化の5つの方法

▼ ① コードを簡易フォームに置き換える

難しいコードは、押さえやすい形に変えられます。

難しいコード代わりに使える形
FFmaj7、または1〜3弦だけの簡易F
BBm7、または省略形
F#m4弦以下を省略した形

すべての弦を鳴らす必要はありません。曲の中で重要な音が鳴っていれば、響きは成立します。

▶ セーハを使わないコードの押さえ方

▶ Fコード攻略法

▼ ② カポを使ってキーごと動かす

難しいコードが並ぶ曲は、カポを使えば簡単なコードで弾けることがあります。

たとえば、B♭やE♭が並ぶ曲でも、カポを3フレットに付ければ、GやCといった押さえやすいコードに置き換えられます。

弾き語りの場合、歌いやすいキーに合わせる目的も兼ねられます。

▶ カポタスト活用術

▶ 歌に自信がなくても弾き語りはできます

▼ ③ ストロークを単純化する

原曲の複雑なリズムを、シンプルな8ビートに置き換えます。

・16分音符の細かいカッティング → 8分のストローク
・複雑なアクセント → 均等な刻み

曲の雰囲気は変わりますが、「弾き通せる」ことのほうが優先度は高くなります。

▼ ④ アルペジオに変える

ストロークが難しい曲は、コードを1音ずつ分けて弾くアルペジオにすると、テンポの余裕が生まれます。

バラード系の曲では、むしろアルペジオのほうが合う場合もあります。

▼ ⑤ 音数を減らす

早いフレーズは、重要な音だけを拾います。

・16分音符のフレーズ → 8分に間引く
・細かい装飾音 → 省略

メロディの骨格が残っていれば、聴き手にはその曲として伝わります。


■ 簡略化しても残すべきもの

何を省いても、次の3つは残してください。これが曲の identity になります。

▼ ① コード進行の流れ

コード自体は簡易形でよいのですが、進行の順番は変えないでください。ここが変わると別の曲になります。

▼ ② リズムの基本的な性格

跳ねているか、まっすぐか。この違いは曲の印象を決めます。

▼ ③ 特徴的なフレーズ

イントロのリフなど、その曲を象徴する部分は、簡略化してでも残す価値があります。聴き手が「あの曲だ」と分かる要素です。


■ 段階的に近づけていく

簡略化は妥協ではなく、通過点として使えます。

段階状態
第1段階簡易コード+単純なストロークで通す
第2段階コードを原曲の形に戻す
第3段階ストロークを原曲に近づける
第4段階装飾やフレーズを足す

最初から完成形を目指すと、いつまでも1曲目が終わりません。まず弾き通せる形にして、そこから少しずつ精度を上げていくほうが、確実に進みます。

▶ 1曲を最後まで仕上げる手順


■ 自分なりのアレンジという楽しみ

簡略化を続けていると、あるとき「原曲と違うけれど、これはこれで良い」と感じる瞬間が来ます。

・アコギ1本で弾くバンドの曲
・ゆっくりしたテンポで弾くアップテンポの曲
・指弾きに変えたロックの曲

これは「弾けない結果」ではなく、自分の解釈です。50代の再開者にとっては、原曲の再現度を競うより、こちらのほうが楽しめる方向かもしれません。

▶ 同じ1曲を1年弾き続けるとどうなるか


■ 注意点:公開する場合

自分で楽しむ範囲では自由ですが、演奏を動画などで公開する場合は、楽曲の権利に配慮が必要です。プラットフォームごとに権利者との契約状況が異なるため、投稿前に各サービスの規約を確認してください。

▶ 弾いてみた動画の著作権の基本


■ まとめ

方法内容
難しいコードを簡易フォームに
カポでキーごと動かす
ストロークを単純化
アルペジオに変える
音数を減らす
残すものコード進行・リズムの性格・象徴的なフレーズ

弾けないから諦めるのではなく、弾ける形に変える。その曲を弾いている時間のほうが、練習して待つ時間より価値があります。

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