50代からのギター再開|1曲を最後まで仕上げる手順【途中で止まらなくなる分解練習】

ギター練習

「弾きたい曲はあるのに、いつも途中で止まってしまう」「サビだけ弾けて、通して弾いたことがない」——ギターを再開して数ヶ月経つと、多くの方がこの状態になります。

原因は練習量ではなく、進め方です。曲を頭から順に繰り返すやり方では、前半ばかり上手くなり、後半はいつまでも弾けないまま残ります。

この記事では、1曲を最後まで仕上げるための手順を、6つの工程に分けて解説します。


■ なぜ「頭から順に弾く」と仕上がらないのか

▼ ① 練習量が偏る

頭から通そうとすると、冒頭は毎回弾き、後半は数えるほどしか弾きません。結果として、曲の中に極端な実力差が生まれます。

▼ ② 難所の手前で毎回止まる

止まる場所が固定されると、「ここで止まる」という動作自体が身についてしまいます。

▼ ③ 時間の割に進まない

30分練習しても、実際に難所を弾いた回数は数回だけ、ということが起こります。


■ 1曲を仕上げる6つの工程

▼ 工程1:曲を分解する

まず、曲をセクションに分けます。

・イントロ
・Aメロ
・Bメロ
・サビ
・間奏
・アウトロ

紙かスマホのメモに、この順番と小節数を書き出してください。これが設計図になります。ここで全体像が見えると、覚えるべき量が思ったより少ないことがわかります。多くの場合、Aメロやサビは繰り返しなので、実際に覚えるのは4〜6ブロックです。

▶ 曲は「構造」で聴くと覚えが早くなる

▼ 工程2:難易度を採点する

各セクションを一度弾いてみて、3段階で採点します。

判定状態
すでに弾ける
ゆっくりなら弾ける
×まったく弾けない

この採点が、練習時間の配分を決めます。

▼ 工程3:×のセクションだけを練習する

ここが最も重要です。○のセクションは練習しません。時間を使うのは×と△だけです。

練習は2〜4小節単位に切って行います。1セクション全体でも長すぎるので、うまくいかない箇所をさらに細かく切り出してください。

テンポは、1音ずつ確認できる速さまで落とします。原曲の半分でも構いません。ミスなく3回続けて弾けたら、5BPMだけ上げる。崩れたら前のテンポに戻す——これを繰り返します。

▶ 速く弾けないのは、ゆっくり弾けていないから

▼ 工程4:つなぎ目を練習する

見落とされがちですが、実は最も止まりやすいのがセクションの切り替え部分です。

Aメロは弾ける、サビも弾ける、でもAメロからサビに移るところで止まる——これは非常によくあります。

対策は、「前のセクションの最後2小節+次のセクションの最初2小節」だけを取り出して練習することです。この4小節を単独の課題として扱ってください。

▼ 工程5:ブロックをつなげる

×だったセクションが△になり、△が○になってきたら、少しずつつなげていきます。

・まず2ブロックをつなげて弾く
・次に3ブロック
・最後に全体を通す

いきなり全体を通そうとせず、つなげる範囲を段階的に広げるほうが確実です。

▼ 工程6:通して録音する

最後に、頭から最後まで1回録音します。

止まっても、間違えても構いません。録音を聴くと、自分では気づかなかった箇所が見つかります。多くの場合、自分が「弾けている」と思っていた部分にズレがあります。

見つかった箇所を、また工程3に戻して練習します。


■ 目安となる期間

曲の難易度仕上がりの目安
3〜4コードの簡単な曲2〜4週間
バレーコードを含む曲1〜2ヶ月
単音フレーズやソロを含む曲2〜3ヶ月

これより時間がかかる場合、曲の難易度が今の実力に対して高すぎる可能性があります。一度棚に上げて、易しい曲を1曲仕上げてから戻ると、あっさり弾けることがあります。


■ 「仕上がった」の基準を決めておく

基準がないと、いつまでも完成しません。次の3段階で判断してください。

段階状態
レベル1譜面を見ながら、止まらずに最後まで弾ける
レベル2譜面なしで、止まらずに最後まで弾ける
レベル3弾きながら歌える/人前で弾ける

レベル2に到達したら「仕上がった」と数えるのが現実的です。レベル3まで求めると数が増えず、達成感が得られません。


■ 50代の再開者が意識したい3点

▼ ① 1曲に集中する

複数の曲を同時に進めると、どれも仕上がりません。「仕上げる曲は1曲、他は気ままに弾く」という配分にしてください。

▼ ② 難所を長時間繰り返さない

バレーコードなど負担の大きい箇所を続けて反復すると、手を痛めます。難所の練習は1回10分程度に区切り、間に別の練習を挟んでください。

▼ ③ 完成後に「維持」の時間を作る

仕上げた曲は、次の曲に移った瞬間から忘れ始めます。週に一度、5分でいいので弾き直す時間を確保してください。

▶ レパートリーの作り方

▶ 30分の練習メニューの作り方


■ まとめ

工程内容
1曲をセクションに分解して設計図を作る
2セクションごとに○△×で採点する
3×と△だけを、2〜4小節に切って練習する
4セクションのつなぎ目を単独で練習する
52ブロック→3ブロックと段階的につなげる
6通して録音し、崩れた箇所を工程3に戻す

弾ける部分を繰り返すのは練習ではなく演奏です。時間を使うべきは、弾けない部分だけです。まずは今取り組んでいる曲を、セクションに分けるところから始めてみてください。

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