50代からのギター再開|シングルコイルとハムバッカーの違い【エレキギターの音を決める心臓部】

ギター機材

「ストラトとレスポールで、なぜあんなに音の印象が違うんだろう」——過去記事「ストラト・テレキャス・レスポールの違い」でも触れましたが、その音の違いを生み出している大きな要因の一つが「ピックアップ」です。

エレキギターのサウンドは、弦の振動を電気信号に変換する、この小さな部品から始まります。この記事では、50代のギター再開者向けに、代表的な2種類のピックアップ「シングルコイル」と「ハムバッカー」の違いを解説します。


■ ピックアップとは何か

ピックアップは、エレキギターの心臓部とも言える部品です。弦の振動を電気信号に変換し、それがアンプで増幅されることで、私たちが耳にするギターサウンドが生まれます。

ギターのあらゆる要素がサウンドに影響を与えますが、このピックアップほど大きな影響力を持つ要素は、なかなかありません。


■ シングルコイル:明るく歯切れの良いサウンド

シングルコイルは、最もシンプルな構造を持つギター用ピックアップです。ストラトキャスターに搭載されている形がスタンダードとして知られています。

▼ 音の特徴

アタックのはっきりした、輪郭のあるサウンドが特徴です。立ち上がりが速く、高音域もストレートに収音されるため、かなりハッキリとしたサウンドになります。カッティング(過去記事「カッティングという言葉」も参考にしてください)の歯切れの良さが際立つのが魅力です。

▼ 向いている演奏

高音域が気持ち良く煌びやかな音を求める方に向いています。鋭いカッティングをしたい場合、シングルコイルの方が気持ち良く演奏できるとされています。


■ ハムバッカー:太くパワフルなサウンド

ハムバッカーは、1956年にギブソン社が発明した、コイル2つを1組にしたピックアップです。主にレスポールなど、ギブソン系統のギターに搭載されています。

▼ 音の特徴

音が太く、パワフルなサウンドが特徴です。出力はシングルコイルの約2倍とされており、ディストーションサウンドとの相性が抜群です。高音域がやや減衰する分、中低域に寄った、どっしりとしたサウンドを作りやすいという特徴もあります。

▼ 向いている演奏

出力が強い分、音が歪みやすいという特性を持っています。そのため、ハードロックやメタルなど、激しいジャンルの曲にもしっかり対応できるピックアップです。


■ 「ハム」という名前の由来

ハムバッカーという名前は「ハムノイズを打ち消す(バック)」という意味に由来しています。シングルコイルと比較すると、ノイズに強いというのが大きな長所の一つです。シングルコイルはコイルが1つのため、電磁波などの影響を受けてノイズ(ハムノイズ)が出やすい傾向がありますが、ハムバッカーは2つのコイルを組み合わせることで、このノイズを打ち消す仕組みになっています。


■ 2つのピックアップの比較表

項目シングルコイルハムバッカー
音の特徴明るく歯切れが良い太くパワフル
得意な音域高音域がクリア中低域が豊か
ノイズ耐性やや弱い強い
歪みとの相性クリーントーンに最適ハイゲインプレイに理想的
代表的なギターストラトキャスターレスポール

■ どちらを選べばいいか:ジャンルから考える

▼ シングルコイルが向いているジャンル

ブルース、ファンク、ポップスなど、クリーントーンやカッティングを多用するジャンルに向いています。

▼ ハムバッカーが向いているジャンル

ハードロック、メタルなど、しっかり歪ませる演奏を中心に考えている場合は、ハムバッカーが満足度の高い選択になりやすいとされています。とにかく歪んだ音を堪能したいという初心者の方にも、ハムバッカーはおすすめされることが多いピックアップです。


■ 「ハムバッカーを初心者にすすめる」という考え方もある

初心者にはハムバッカーがおすすめという考え方も、一定数見られます。ノイズに強く、扱いやすいという点が、その理由の一つとされています。ただし、これはあくまで一つの見解であり、最終的にはどんな音を出したいかという、自分自身の好みが最も大切な判断基準になります。


■ 「両方のいいとこ取り」というピックアップもある

シングルコイルとハムバッカー、それぞれの特徴を兼ね備えた「シングルコイル・サイズのハムバッカー」というタイプも存在します。

▼ シングルサイズ・ハムバッカーとは

元々シングルコイルが搭載されていた箇所に、ハムバッカーを載せたい場合に使われるタイプです。既存のザグリ(くぼみ)にそのまま収まるため、新たに加工を施す必要がないというメリットがあります。万が一、新しいピックアップのサウンドが気に入らなくても、すぐに交換前の状態に戻すことが可能です。

▼ 音の特徴

シングルコイルの繊細さと、ハムバッカーのパワフルさを活かした、両者の中間のような音が得られるとされています。


■ 途中で交換することもできる

ギターを購入した後、後からピックアップを交換するという選択肢もあります。過去記事「ブリッジピン交換という手軽なアコギ改造」でも触れたように、パーツの交換によって音の変化を体験できるのは、エレキギターも同様です。

ただし、ピックアップの交換は配線の知識が必要になる場合もあるため、自信がない場合は、楽器店やリペアショップに相談することをおすすめします(過去記事「信頼できるリペアショップの選び方」も参考にしてください)。


■ 「両方を所有する」という選択肢

シングルコイルとハムバッカーは、両方とも優秀な特性を持っているため、ギター歴がある程度長い方は、両方とも所有しているケースが多いとされています。「1本目にストラトを買って、2本目にレスポールを」というように、過去記事「憧れのギターで2本目を選ぶという楽しみ方」でも触れた考え方とも重なります。


■ 50代がこの知識を持つメリット

▼ ギター選びの視野が広がる

ピックアップの違いを知ることで、これから2本目を検討する際、音の傾向という視点からギターを選べるようになります。

▼ カタログ表記への理解が深まる

「SSH配列」「2H」といった表記の意味も、ピックアップの基本を知ることで理解しやすくなります。

▼ 実際に弾きたい音がイメージしやすくなる

自分がどんな音を出したいのかを言葉にできるようになることで、楽器店での試奏(過去記事「楽器店での試奏マナーとチェックポイント」も参考にしてください)が、より実りあるものになります。


■ 50代がこの知識を活用する際のアドバイス

▼ 自分が弾きたいジャンルから逆算する

過去記事「オーバードライブ・ディストーション・ファズの違い」も参考にしながら、自分の好きなジャンルにはどちらのピックアップが向いているかを考えてみましょう。

▼ 実際に試奏して確認する

理論的な違いを知った上で、最終的には実際に弾いてみて、自分の耳で確認することが最も確実です。

▼ 焦らず、両方を試す機会を作る

すでにどちらか一方のギターを持っている場合、楽器店で違うタイプのギターを試奏してみることで、より理解が深まります。


■ まとめ:シングルコイルとハムバッカーの違い

こんな方におすすめ
クリーントーンやカッティングを重視したいシングルコイル
力強い歪みサウンドを求めたいハムバッカー
ノイズを気にせず演奏したいハムバッカー
両方の魅力を少しずつ味わいたいシングルサイズ・ハムバッカー

シングルコイルとハムバッカーは、それぞれに異なる魅力を持つ、エレキギターサウンドの心臓部です。50代のギターライフに、ぜひこの知識を取り入れて、自分だけの理想のトーンを見つけてみてください。


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