「ジャズのコードやスケールは勉強したけど、実際のセッションでは何を演奏すればいいの?」「セッションに行きたいけど、曲を知らなくて不安」——ジャズギターの基礎を学んだ50代の方から、こんな声をよく聞きます。
ジャズのセッションで使われる曲は、「スタンダード」と言われる王道の名曲がほとんどです。この記事では、50代のギター再開者向けに、セッションでよく演奏される定番曲と、覚え方のコツを解説します。
■ ジャズセッションの基本ルール
セッションでは、プレイヤーが楽器を持ち寄ってその場でやりたい曲を決めて一緒に演奏します。予め決まったメンバーと演奏する「バンド」とは異なり、当日会った人とその場限りの演奏をするのが特徴です。
どんな曲でもOKというわけではなく、通常はジャズスタンダードという定番曲から演奏することが多くなります。この「共通言語」となる曲を知っておくことが、セッション参加の第一歩です。
■ 「黒本」とは何か
ジャズのセッションに参加する人は、たいがい「黒本」と呼ばれる曲集を持っています。正式名称は「ジャズ・スタンダード・バイブル」で、ジャズベーシスト納浩一氏の編集による277曲を収めたスタンダード曲集です。
黒本には1と2があり、まずは1から揃えるだけでも十分対応できます。セッションの場でこの曲集を見ながら演奏することも一般的なので、持っておくと安心です。
■ まず覚えたいブルース進行の曲
ロックのルーツであるブルースは、ジャズの起源でもあります。それゆえジャズのスタンダードには、ブルース進行の曲がたくさんあります。
▼ C Jam Blues(デューク・エリントン)
ジャズをやっている人なら知らない人はいないという名曲です。テーマが非常にシンプルで、初心者でもすぐに覚えられます。ジャムセッションデビューにも最適な定番曲とされています。
▼ Blues(キーはF・B♭などが定番)
特定の曲名ではなく「ブルース進行」そのものを演奏することもセッションではよくあります。12小節のブルース進行を体で覚えておくことが、ジャズセッションの基礎になります。
■ セッションで頻出のスタンダード曲
以下は、都内のジャズセッションでよく演奏される定番曲の一部です。地域やお店によって多少異なりますが、まず覚えておきたい曲として紹介されています。
| 曲名 | 特徴 |
|---|---|
| Autumn Leaves(枯葉) | 定番中の定番だが、あえてやらないことも多い |
| Take the ‘A’ Train(A列車で行こう) | デューク・エリントン楽団のテーマ曲 |
| Bye Bye Blackbird | シンプルで覚えやすい構成 |
| All The Things You Are | セッションで頻出のコード進行 |
| Have You Met Miss Jones? | 転調の練習にもなる定番曲 |
興味深いことに、「枯葉」や「All of Me」「Fly Me to the Moon」は、あまりに定番すぎて逆にセッションではやらないことも多いとされています。有名な曲=セッションで頻出とは限らない点は覚えておくとよいでしょう。
■ 初心者向けセッションでよく使われる曲
超初心者向けセッションや、ジャズメインではないセッションでは、以下のような曲がよく演奏されます。
▼ Fly Me to the Moon
ジャズのスタンダード曲として最も有名で知名度も高く、メロディーもシンプルなため取り組みやすい1曲です。
▼ 枯葉(Autumn Leaves)
緩やかなリズムに乗って美しいメロディーが紡ぎ出される名曲です。多くのジャズシンガーが取り上げる定番中の定番で、初心者向けセッションでは演奏される機会も多くあります。
■ ファンク・R&B系セッションの定番曲
ジャズだけでなく、ファンクやR&B系のセッションもよく開催されています。こちらのセッションでは、初心者が一番最初に練習すべき曲として、以下の2曲がよく挙げられます。
| ジャンル | 曲名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 歌モノ | Feel Like Makin’ Love | おしゃれな歌モノの代表格 |
| インスト | Cissy Strut | ギターセッションの定番曲 |
これらの曲はコード進行がシンプルなものが多く、ジャズ経験の浅い方でも挑戦しやすい入り口になります。
■ セッション曲を覚える際のコツ
▼ コード進行とメロディを暗記する
セッション定番曲は、コード進行とメロディを暗記しておくことが理想です。まずは自分が覚えやすいと感じる曲から着手しましょう。
▼ 定番音源を聴いておく
スコア(楽譜)を見てメロディを歌えるようになることも大切ですが、実際の演奏を耳で聴いて雰囲気をつかむことも同じくらい重要です。多くの楽曲はYouTubeやストリーミングサービスでもチェックできます。
▼ 演奏頻度と難易度のバランスを考える
セッションでの演奏頻度が高く、難易度が比較的低い曲から着手すると、早い段階でセッションに参加できるようになります。まずは頻出度の高い数曲を確実に演奏できるようにすることを優先しましょう。
▼ ギタリスト作曲の曲も知っておく
ジャズはピアノやサックスが主役になることが多いため、ギタリストが作曲したスタンダード曲は比較的珍しい存在です。パット・マルティーノの「Four On Six」など、ギタリストならではの視点で作られた曲も知っておくと良いでしょう。
■ セッション参加への心構え
▼ 完璧を目指さなくて良い
もう少し上手くなってから、と尻込みする人もいますが、それではいつまで経ってもセッションに参加できません。うまくできなくても、自分が思っている以上に周りは気にしていないものです。
▼ アットホームなセッションから始める
初心者向けのセッションは、アットホームな雰囲気で、初心者でも安心して参加できるお店も多くあります。最近のプレイヤーは基本的に優しい人が多い傾向にあります。
▼ ソロが回ってくることを恐れない
セッションではソロ(アドリブ)が順番に回ってくることが多いですが、これはジャズの醍醐味でもあります。テーマがあってのアドリブなので、まずは曲のテーマをしっかり覚えることが自信につながります。
■ 50代がジャズセッションに参加するメリット
▼ 長年の音楽経験が活きる
50代の方には、長年様々な音楽を聴いてきた経験があります。この耳の経験が、ジャズの「スイング感」や「フィーリング」を理解する上で大きな強みになります。
▼ 新しい音楽仲間との出会い
セッションは、当日会った人とその場限りの演奏をする、まさに一期一会の場です。年齢や経験を問わず、新しい音楽仲間との出会いのきっかけにもなります。
▼ 焦らず段階的に進める
いきなり多くの曲を覚えようとせず、まずは演奏頻度の高い数曲から着実に習得していくことが、セッション参加への確実な道筋です。
■ まとめ:ジャズセッション定番曲の覚え方
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① 黒本を用意する | ジャズ・スタンダード・バイブルなどの曲集を1冊持つ |
| ② ブルース進行を覚える | C Jam Bluesなどシンプルな曲から始める |
| ③ 頻出曲を優先する | 演奏頻度が高く難易度が低い曲から着手する |
| ④ 音源を聴き込む | 定番テイクを繰り返し聴いて雰囲気をつかむ |
| ⑤ 実際に参加する | 完璧を目指さず、まず参加してみる |
ジャズセッションは、決して敷居の高いものではありません。定番曲を少しずつ覚えて、まずは初心者向けのセッションに足を運んでみることから始めてみてください。
■ ジャズセッションの準備をプロと一緒に進めたい方へ
セッションで演奏する曲の練習法やコツは、オンラインレッスンでプロに教えてもらうと上達が加速します。


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