「12弦ギターって見たことあるけど、6弦とどう違うの?」「弾くのが難しそうだけど、音は魅力的だな」——ギターに慣れてきた50代の方から、こんな声をよく聞きます。
12弦ギターは、通常のギターにはない、重厚できらびやかな音色を奏でられるのが最大の魅力です。この記事では、50代のギター再開者向けに、12弦ギターの特徴と、6弦ギターとの違いを解説します。
■ 12弦ギターとは何か
12弦ギターとは、名前の通り弦が12本あるギターのことです。普通のギターと同じ音程の弦(主弦)が6本あるのに加え、副弦と呼ばれる弦が6本ある特殊な構造になっています。
2本の弦をひとつの組として押さえていく仕組みで、この「組」を「コース」と呼びます。12弦ギターは、12弦6コースの楽器ということになります。
■ チューニングの仕組み
一般的な12弦ギターのチューニングは、6弦から順にE-E-A-A-D-D-G-G-B-B-E-Eとなります。
通常の6弦ギターと同じ音程の弦(主弦)とその1オクターブ上の音程の弦(副弦)を組み合わせるのが、6弦から3弦にかけての特徴です。1弦と2弦は、主弦と副弦が同じ音程(ユニゾン)になります。
▼ 6弦〜3弦:オクターブチューニング
副弦が主弦より1オクターブ高い音にチューニングされており、この部分の響きは12弦ギターならではの魅力です。
▼ 2弦・1弦:ユニゾンチューニング
主弦と副弦の音が同じ音程になっており、コーラスエフェクターをかけたような響きが生まれます。
■ なぜ独特な響きが生まれるのか
12弦ギターのサウンドの秘密は「主弦と副弦の音程のズレ」にあります。主弦と副弦を同じ音でチューニングしたとしても、実際にはわずかな音程のズレが生じます。このズレによって、コーラスをかけたような美しい響きを得ることができます。
12弦ギターは、6弦ギターと同じチューニングのため、6弦ギターと同じように弾くことができます。ところが、同じように弾くだけなのに、圧倒的な「音の厚みと広がり」が生まれるのです。
■ 12弦ギターの魅力
▼ ① 倍音が豊か
主弦と副弦が同時に鳴ることで、通常のギターよりも音の響きが豊かになり、まるで2本のギターが同時に演奏されているかのようなサウンドを生み出します。特にストローク奏法ではこの特徴が顕著に表れ、カントリーやフォークのようなジャンルでは欠かせない存在となっています。
▼ ② 独特な響きとサウンド
副弦のわずかなピッチのズレによって、コーラスエフェクターをかけたような自然な揺らぎが生まれます。アルペジオやコード弾きにおいて、非常に奥行きのある響きを作り出すことができます。シンプルなコード進行でも、表現力豊かな演奏が可能になります。
▼ ③ 見た目のインパクト
12個並んだペグは迫力があります。使っている人が少ないこともあり、ステージでは目立つ存在になります。
■ 12弦ギターの弾き方の特徴
弾き方は基本的に6弦ギターと同じです。アルペジオからコードストロークまで、多彩な演奏が可能です。ただし、指1本で2本の弦を同時に押さえる必要があるため、少し慣れが必要になります。
▼ 開放弦を活かすのがコツ
より12弦ギターを効果的に活かすためには、極力開放弦を絡めるのがミソです。開放弦の豊かな響きが、12弦ギターサウンドを際立たせます。コードストロークも気持ち良いですが、分散和音(アルペジオ)ならさらに効果的です。
▼ ドレミの音階を弾く際の注意点
12弦ギターで音階を弾く際、開放弦の使い方によって、1オクターブ高い音が重なるかどうかが変わります。押弦の位置を工夫することで、より豊かな響きを引き出すこともできます。
■ 12弦ギターの難しさ・注意点
▼ 指の力が必要
主弦と副弦の2本を同時に押さえる必要があるため、通常の6弦ギターよりも指の力が必要になります。特にバレーコード(セーハ)を押さえる際は、1本の指で12本の弦をしっかりと押さえなければならず、初心者にとってはかなりの負担となります。
▼ ネックが太くて弾きにくい
12弦ギターのネックは、6弦ギターと比較すると太く厚く作られています。これは、12本の弦の張力に耐えるための構造上の理由です。手が小さい方にとっては、通常の6弦ギターよりもさらに弾きづらさを感じることがあります。
▼ 弦が切れやすい
オクターブ弦は細いゲージを使うことが多く、摩耗で切れやすい傾向があります。特にG弦の副弦は最も細い弦になり、よく切れることで知られています。弦の品質や巻き方を見直すことで、切れる頻度を下げることができます。
▼ 弦交換の手間が倍になる
弦の本数が単純に倍になっているため、チューニングや弦交換の手間も倍かかります。張り替えは一本ずつ行い、急激なテンション変化を避けることで、ネック反りのリスクを低くできます。
■ 12弦ギターの歴史
12弦ギターは19世紀の終わり頃に誕生し、1960年代以降に普及したとされています。メキシコの民族楽器がルーツと言われています。
古くはアメリカのフォークソングで使用されており、レッドベリーやピート・シーガーなどが知られています。1970年代のロックシーンでも、レッド・ツェッペリンやイーグルスが使用したことで有名になりました。ビートルズのジョージ・ハリスンが使用したリッケンバッカー社製のエレキ12弦も、非常に有名な楽器です。
日本のフォークミュージシャンも12弦ギターを使用しており、知らず知らずのうちにその音色を聴いてきた方は多いはずです。
■ こんな方に12弦ギターがおすすめ
▼ フォーク・カントリー系の弾き語りが好きな方
ストローク奏法で12弦ギターの豊かな倍音を活かすと、雰囲気のある弾き語りが楽しめます。
▼ 新しいインスピレーションを求めている方
長年ギターをやっていて、なんか新しいインスピレーションが欲しいという方には、12弦ギターが新鮮な刺激を与えてくれる可能性があります。
▼ すでに6弦ギターを弾きこなしている方
12弦ギターは、演奏方法や音域は一般的な6弦ギターとほぼ同一です。すでに6弦ギターの基礎ができている方であれば、比較的スムーズに移行できます。
■ 12弦ギターを選ぶ際のポイント
▼ 用途に応じて選ぶ
スタジオ録音・ライブ・ソロ弾き語り・バンドのバッキングなど、用途によって適したモデルが異なります。ボディ形状(ジャンボやドレッドノート)は倍音が豊かで、大音量でも埋もれにくい特徴があります。
▼ ネックの太さを実際に確認する
長めのスケールはテンションが強く張り感が出ますが、ネックが太いとフィンガリングが難しくなります。実際に楽器店で弾き比べることが重要です。
▼ 弦のセットは専用のものを使う
メーカーが推奨する12弦専用弦セットを使用するのが無難です。軽めのセットは演奏しやすく、重めは音量とサステインが増します。
■ 50代が12弦ギターに挑戦するメリット
▼ 演奏の幅が広がる
12弦ギター最大の魅力である豊かな響きは、単なる大きな6弦では得られない「装飾的で広がる音像」を与えてくれます。50代の演奏経験に、新しい表現の選択肢を加えることができます。
▼ 長年聴いてきた音楽との再会
フォークやロックの名曲の中に、実は12弦ギターが使われていたことに気づく瞬間があるかもしれません。長年聴いてきた音楽との新しい出会い方ができます。
▼ 2本目・3本目のギターとしての選択肢
すでに6弦ギターの基礎がある50代の方にとって、12弦ギターは演奏スタイルの幅を広げる魅力的な選択肢になります。
■ まとめ:12弦ギターの特徴
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 弦の構成 | 主弦6本+副弦6本の計12本 |
| チューニング | 6弦〜3弦はオクターブ・2弦1弦はユニゾン |
| 音の特徴 | 重厚できらびやかな響き・コーラスのような揺らぎ |
| 弾き方 | 基本は6弦ギターと同じ・開放弦を活かすのがコツ |
| 注意点 | 指の力が必要・ネックが太い・弦が切れやすい |
12弦ギターは、6弦ギターとは一味違う、唯一無二の音の世界を体験させてくれる楽器です。50代のギターライフに、新しい表現の可能性としてぜひ検討してみてください。
■ 12弦ギターの弾き方をプロと一緒に学びたい方へ
12弦ギター特有の弾き方やコツは、オンラインレッスンでプロに教えてもらうと上達が加速します。


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