「アコギを選ぼうと思ったら、ドレッドノートとかOMとか、聞き慣れない名前がたくさんあって迷ってしまう」「体格に合ったサイズって、どうやって判断すればいいの?」——アコギの購入を検討している50代の方から、こんな声をよく聞きます。
アコースティックギターのボディは弦の振動を受け止め、増幅する働きをします。ボディの形状や大きさによって、音色や音量だけでなく、演奏する時の抱き心地や右手の使いやすさも大きく変わります。アコギにとってボディは、まさに「命」と言える部分です。
この記事では、50代のギター再開者向けに、代表的なアコギのボディサイズと、選び方のポイントを解説します。
■ ドレッドノート:アコギの代表格
「ド級」という言葉の語源にもなった、英国戦艦ドレッドノート号にちなんで名付けられた、アコースティックギターの代表的なサイズです。1916年にマーティン社が発表した大型ギターがルーツで、くびれの少ない、でっぷりとした形状が特徴です。
▼ 音の特徴
音量が大きく、特にピックストロークに向いています。低音まで力強く響く、迫力あるダイナミックなサウンドが魅力です。弾き語りの伴奏に適した、パワフルな音を求める方に向いています。
▼ 弾き心地
ボディが大きい分、体格によってはやや構えにくく感じることもあります。まっすぐ座ろうとしても体が少し傾くという感覚を持つ方もいます。
■ オーディトリアム(フォークタイプ):構えやすさが魅力
ドレッドノートよりもボディが小さく、くびれが強い形状です。日本では「フォークギター」として広く認識されているサイズで、YAMAHAのFGシリーズなどがこのタイプにあたります。
▼ 音の特徴
音量や低音はドレッドノートに比べると控えめですが、その分、音の立ち上がりが早く敏感なレスポンスを持っています。中音域〜高音域は軽やかで繊細な響きが出せるため、指弾き(フィンガーピッキング)に向いているとされています。
▼ 弾き心地
ドレッドノートに比べて構えやすく、これから始める方には抱えやすさの面でおすすめされることが多いサイズです。肩の負担が少なく感じられるという声もあります。
■ OM(オーケストラモデル):バランス重視の中間サイズ
ドレッドノートの持つ長めのスケール(弦長)に、オーディトリアムの胴体を組み合わせたモデルです。ドレッドノートとオーディトリアムの、ちょうど中間的な位置づけとも言えます。
▼ 音の特徴
オーディトリアムモデルと同系統の音色ながら、スケールが長くなった分、低音が出てバランスが良くなったという感想もよく聞かれます。「1本だけ欲しい」という場合の選択肢としても人気があります。
エリック・クラプトンが1992年のMTVアンプラグドで使用したことでも知られ、ブルース系の音楽との相性が良いとされています。
■ 000(トリプルオー):粒立ちの良さが魅力
ドレッドノートより一回り小さく、弦長も少し短いサイズです。低音から高音弦までの音の粒立ちが揃っており、音量バランスに優れています。
大音量でかき鳴らすというより、じっくりとアコギの奥深い鳴りを味わいたい方に向いているとされています。程よいテンション感で、弦の押さえやすさも感じられる特徴があります。
■ ジャンボ:豪華で大きなサウンド
ギブソン社を発祥とするモデルで、ボディ容積が大きい分、サウンドに広がりがあり、まとまりのあるバランスの取れた響きが特徴です。装飾も豪華なモデルが多く、最上位クラスのギターに位置づけられることが多いサイズです。
■ サイズ選びの基本的な考え方
▼ ボディが大きいほど
音量が大きく、強いピッキングには力強いサウンドで応え、低音が豊かに響きます。木材量が多いことから鳴りが重くなる傾向がありますが、これを設計と製造技術でカバーして、迫力あるサウンドながらタッチに敏感なギターに仕上げるのが、職人の腕の見せ所です。
▼ ボディが小さいほど
音量や低音が控えめな代わりに、敏感さと立ち上がりの早さを持っています。強いピッキングに応じきれない部分は、突出したアタックを整える「コンプ感」として、好意的に捉えられることもあります。
■ 50代がボディサイズを選ぶ際のポイント
▼ 演奏スタイルから選ぶ
| 演奏スタイル | 向いているサイズ |
|---|---|
| 力強い弾き語り・ストローク中心 | ドレッドノート |
| 指弾き(フィンガーピッキング)中心 | オーディトリアム |
| バランスよく1本で色々弾きたい | OM |
| じっくりと奥深い響きを楽しみたい | 000 |
▼ 体格・抱えやすさを重視する
これからアコギを始める方には、構えやすさの面からオーディトリアムサイズがおすすめされることが多いです。ただし、実際に持ってみるとドレッドノートの方がしっくりくるという方も少なくありません。感覚は人それぞれなので、実際に試奏してみることが一番確実です。
▼ 「肩がラク」という視点も大切にする
体格や年齢によっては、肩への負担が演奏のしやすさに直結することがあります。50代では、長時間の演奏を想定した場合、肩がラクに感じられるサイズを選ぶことも、長く楽しむための大切な視点です。
■ 試奏時にチェックしたいポイント
▼ 座って構えたときの姿勢
まっすぐ座った状態で、体が傾かずに自然に構えられるかを確認しましょう。ボディの大きさによって、右肩の上がり方に違いが出ることがあります。
▼ 右腕・右肘の届きやすさ
ボディの最大幅付近に右肘が自然に届くかどうかも、抱えやすさの目安になります。
▼ 開放弦への左手の届きやすさ
ボディが大きいと、左手を開放弦のポジションまで伸ばす際に、やや窮屈に感じることがあります。実際に構えてコードを押さえてみて、無理のない姿勢を取れるか確認しましょう。
■ サイズ選びに正解はない
抱き心地の違うギターに持ち替えると、無意識に構え方やプレイスタイルが変わることがあります。いろんなタイプのギターを試してみることは、それ自体が楽しい経験でもあります。
まずは自分にとって一番弾きやすいサイズのギターから選び、興味が広がれば、いずれ違うサイズのギターにも挑戦してみるという、段階的なアプローチもおすすめです。
■ 50代がボディサイズを知るメリット
▼ ギター選びの視野が広がる
サイズによる音の違いを知ることで、単に「見た目が好き」という選び方から、「自分の演奏スタイルに合っている」という選び方ができるようになります。
▼ 試奏がより実りあるものになる
サイズごとの特徴を事前に知っておくことで、楽器店での試奏時に「このサイズはこういう傾向があるはず」と確認しながら弾けるようになり、より納得のいくギター選びにつながります。
▼ 2本目・3本目の選択肢が広がる
すでに1本のアコギを持っている方にとって、違うボディサイズのギターは、これまでとは違った表現の幅を与えてくれる選択肢になります。
■ まとめ:アコギのボディサイズ選び
| サイズ | 特徴を一言で |
|---|---|
| ドレッドノート | 音量・迫力重視の定番サイズ |
| オーディトリアム | 構えやすく指弾きにも向く |
| OM | ドレッドノートとオーディトリアムの中間 |
| 000 | 粒立ちの良さとバランス |
| ジャンボ | 豪華で広がりのあるサウンド |
アコギのボディサイズは、音色だけでなく、弾きやすさや体への負担にも関わる大切な要素です。50代のギター選びにおいて、ぜひこの視点も取り入れながら、自分にとって最適な1本を見つけてみてください。
■ 自分に合ったアコギ選びをプロに相談したい方へ
ボディサイズを含めた自分に合ったギター選びは、オンラインレッスンでプロに相談すると具体的なアドバイスが得られます。


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