「毎日弾いているこのギター、そもそもいつ、どうやって生まれたんだろう」——ふと、そんな疑問を持ったことがある50代の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実はギターのルーツを辿っていくと、驚くべきことに、新石器時代の「狩猟用の弓」にまで行き着くと言われています。この記事では、50代のギター再開者向けに、知って驚くギターの歴史を紹介します。
■ ギターの祖先は「弓」だった
ギターを含む弦楽器の先祖は、新石器時代の狩猟用の弓に行き着くと言われています。初期の楽弓は、なんと3メートルもの大きさだったとされています。
この弓の弦を振動させて音を共鳴させるために、木の実をつけたり、弦の数を増やしたりする工夫が凝らされていたと考えられています。狩りの成功を祈願したり、喜びを分かち合ったりする場で、人々は弓の弦を弾いて音を出していたのかもしれません。
やがて、より大きな音を求めて、ひょうたん・ココナッツ・亀の甲羅・さらには頭蓋骨まで、様々なものが共鳴体として取り付けられ、弓は独立した楽器へと進化を遂げていきました。
■ 古代文明とギターのルーツ
▼ 紀元前3000年頃のエジプト・メソポタミア
古代エジプトやメソポタミア文明の壁画やレリーフには、ハープやウードの祖先と思われる弦楽器が描かれています。当時すでに音楽があり、楽器演奏家がいたことを物語っています。
▼ 「キタラ」という言葉の由来
ギターという言葉の語源には諸説ありますが、古代ギリシャの竪琴に属する木製の共鳴箱を持つ「キタラ」が、その語源であったという説があります。古代ギリシャでは、竪琴ライアが太陽神アポロの楽器として神聖視され、音楽文化の中心に位置していました。
■ ウードからリュートへ:東西への広がり
ペルシャの楽器「バルバット」から発展した「ウード」は、様々な楽器に変容し、世界の音楽に影響を与えていきました。
シルクロードを通って東へ伝わると、中国の「琵琶」や日本の「琵琶」になり、十字軍の遠征などで西へヨーロッパに伝わると「リュート」が誕生しました。日本の琵琶とギターが、実は同じ祖先を持っているというのは、興味深い事実です。
■ ビウエラからギターの誕生へ
15世紀になると「ビウエラ」という楽器が登場します。フラットなトップとバックで、フレットがあり、ボディ中央にくびれを持つ、現在のギターの形に似た弦楽器です。ギターの起源をこのビウエラとする説もあります。
同じ頃、ビウエラを小型化したような「ルネッサンスギター」と呼ばれる楽器が、大衆用の唄伴奏楽器として広まりました。
■ 現代ギターの形を完成させたトーレス
現在のクラシックギターの基本的な形状は、19世紀後半、スペインの名工アントニオ・デ・トーレスによって、ほぼ完成しました。彼はボディの大型化や弦の65cmへの延長を行い、音質と音量を大きく改善させました。
トーレス以前の6単弦ギターを「19世紀ギター」、トーレス以後のクラシックギターを「モダンギター」と呼ぶこともあります。現在私たちが弾いているギターの形は、実に長い年月をかけて完成されたものなのです。
■ 6本弦になったのは意外と最近だった
現在の標準的な調律「E-A-D-G-B-E」に落ち着いたのは、実は1800年より前のことです。1600年より前に5組目の弦が加えられ、18世紀の終わり頃に6組目の弦が加えられました。
また、弦に巻き弦が採用されることで強度が上がり、それまでの「複弦(2本で1組)」から「単弦(1本ずつ)」への移行が起きました。この時期、おそらくフランスかイタリアにおいて、現在使われている6単弦のギターが誕生したとされています。
■ エレキギターの誕生は1930年代
アコースティックギターは発展を続けましたが、構造的に大音量化の限界に直面していました。この解決策として、アンプによって音量を増幅させることが考案され、1930年代初頭にエレクトリックギターが発明されました。
当初のエレキギターは、通常のギターと同じく内部に空洞のあるものでしたが、構造的にハウリングを起こしやすかったため、1950年には内部の空洞をなくした「ソリッドギター」が発売されました。以後、エレクトリックギターの主流はこのタイプになっていきます。
つまり、私たちが今エレキギターと呼んでいる楽器は、意外にもまだ100年に満たない歴史しか持っていないのです。長い弦楽器の歴史の中では、まさに最新の発明と言えます。
■ フレットの進化の歴史
初期のギターでは、指板にガット(羊などの腸で作った細い紐)を巻いて結んだフレットが使われていました。18世紀になって、指板にあらかじめ象牙や金属を組み込んだフレットへと変更されました。
普段何気なく見ているフレットにも、こうした長い歴史の積み重ねがあることを知ると、ギターへの見方が少し変わってくるかもしれません。
■ 50代がギターの歴史を知る楽しみ
▼ 演奏する楽器への理解が深まる
普段何気なく弾いているギターが、数千年という壮大な歴史の積み重ねの上に成り立っていることを知ると、演奏する時の気持ちも少し変わってくるかもしれません。
▼ 音楽仲間との会話のきっかけになる
こうした豆知識は、セッションや音楽仲間との会話のちょっとした話題にもなります。「実はギターって狩猟の弓が起源らしいよ」という一言が、会話を弾ませるきっかけになることもあります。
▼ 正確な記録がないロマンを味わえる
ギターの歴史には、正確な記録が残っていない部分も多くあります。この「わからない部分」にこそ、ロマンを感じるという楽しみ方もできます。もしかしたら古代の人々の中にも、驚くような演奏技術を持った「先駆者」がいたのかもしれません。
■ まとめ:ギターの歴史の流れ
| 時代 | 出来事 |
|---|---|
| 新石器時代 | 狩猟用の弓が弦楽器のルーツになったとされる |
| 紀元前3000年頃 | エジプト・メソポタミアで弦楽器の存在が確認される |
| 古代ギリシャ | 「キタラ」がギターの語源になったという説 |
| 15世紀 | ビウエラ・ルネッサンスギターが登場 |
| 19世紀後半 | トーレスが現代ギターの形を完成させる |
| 1800年以前 | 現在の6単弦・標準調律が確立する |
| 1930年代 | エレクトリックギターが発明される |
数千年という壮大な歴史を持つギターという楽器を、今こうして自分の手で弾けることは、考えてみれば不思議な巡り合わせです。50代のギターライフに、こうした歴史の視点もぜひ加えてみてください。
■ ギターの奥深い世界をプロと一緒に楽しみたい方へ
歴史も含めたギターへの理解は、オンラインレッスンでプロと話しながら深めていくのもおすすめです。


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