50代からのギター再開|バッキング(伴奏)の重要性と上達のコツ【演奏の9割を占める技術】

ギター練習

「ギターソロは弾けるけどバッキングが苦手」「伴奏なんて地味だから、目立つソロを練習したい」——ギターを続けている50代の方から、こんな声をよく聞きます。

しかし、ギター演奏においては「バッキング」が全体の9割以上を占め、演奏中はほとんどの時間をバッキングをして過ごします。地味に見えるこの技術こそ、実はギタリストとしての総合力を左右する重要なスキルなのです。

この記事では、50代のギター再開者向けにバッキングの重要性と、上達のための具体的なコツを解説します。


■ バッキングとは何か

ギターの演奏は「ソロ」と「バッキング」の2つに大きく分類できます。「ソロ」はメロディーやギターソロなど目立つ演奏です。対する「バッキング」は、歌やメロディを支える伴奏部分であり、一般的にはあまり目立たない演奏になります。

バッキングとは、主旋律やソロをサポートし楽曲の魅力を最大限に引き出すための伴奏を指します。良いバッキングだと楽曲の良さを最大限、あるいはそれ以上に引き出すこともできる一方、バッキングが良くないと楽曲の魅力を引き出せず、聞いている人を楽しませることもできません。

とても重要な役割を担うバッキングですが、曲のメインとなる部分を引き立てるための役割なので、目立たずその重要性が理解されないことも多々あります。


■ バッキングが持つ5つの役割

バッキングの役割を細かく見ていくと、以下のような多くの役割があります。

  • コードなどのハーモニーを作る
  • リズムを作る
  • 楽器同士のアンサンブルを繋ぐ
  • 楽曲のストーリーを作る
  • 感情の起伏や楽曲の彩りをコントロールする

これほど多くの役割を担っているにもかかわらず、地味だからと軽視されがちなのがバッキングの特徴です。


■ なぜバッキング練習が重要なのか

▼ ギター人生の9割はコード弾き

シンガーソングライターをやるにしても、バンドをやるにしても、9割以上はコード弾きで、ソロギターの割合は1割にも満たないという指摘があります。華やかなリードやギターソロを練習したくなる気持ちはよくわかりますが、まずはコード演奏を重点的に練習することが、ギタリストとしての総合力を上げることになります。

▼ バッキングの練習が他の技術も伸ばす

有名なフレーズや難しいフレーズだけを練習していても上達しないと言われています。バッキングの練習も合わせて練習していると、そういった難しいフレーズもどんどん弾けるように上達していきます。バッキングには、リズム感やコードなど、基礎的な技術が多く含まれているためです。

▼ 曲のコードが自分でわかるようになる

バッキングの練習を重ねることで、楽譜がなくても曲のコードがわかったり、単音弾きやカッティングなどギターの演奏スキルが全体的に向上したという実例もあります。


■ バッキングの3つの基本パターン

▼ ① コードバッキング

和音を押さえながらのバッキングです。ストロークでジャランと鳴らす、最も基本的なパターンです。

▼ ② アルペジオ

左手で押さえた和音を分散して弾く奏法です。原則として各音を単音で弾きますが、部分的に和音を混ぜることもあります。メロディーを優しく包み込み、そっと支えるような印象を与えます。

▼ ③ 単音バッキング

リフなど、単音でのバッキングです。ギターの歪みサウンドは倍音を多く含んでいるため、単音(パワーコードなど3度を含まない和音)を使うことで、音の濁りを防ぎながらリズムを刻めます。


■ 効果的なバッキングを弾くための考え方

▼ 曲をよく聴いてリズムと雰囲気に合わせる

コードは押さえられたけど、どんな伴奏をすればいいのかと悩む方は多いです。結論としては「曲をよく聴いて、そのリズムと雰囲気に合ったパターンで弾く」ということになります。パターンを頭で考えるより、曲の空気を感じ取ることが大切です。

▼ バッキングだけでガラリと印象が変わる

同じコード進行でも、ストロークで弾くかアルペジオで弾くかで、楽曲のアレンジは大きく変わります。バッキングのパターンを変えるだけで、これだけアレンジを変えることができるという事実は、バッキングという技術の奥深さを物語っています。


■ バッキング上級者になるための2つのコツ

▼ コツ① 周りの音をしっかり聴く

バッキング上級者になるためには、周りの音をしっかり聴き、タイミングの良い合いの手を心がけることが大切です。他の楽器やボーカルの動きを感じながら弾くことで、バッキングに生きた表現力が生まれます。

▼ コツ② スケール習得で合いの手を盛り上げる

バッキング上級者は、2分音符や4分音符でコードをなぞるだけではなく、しっかり合いの手として主張できるようなフレーズで演奏を行います。メインのフレーズとフレーズの間に入る短い隙間に、アドリブ的な合いの手を入れ込むのです。この合いの手を実現するためには、ペンタトニックスケールをあらかじめ覚えておく必要があります。


■ バッキングによく使われる2つのコード

▼ バレーコード

フレットを横にずらしていくだけで多くのコードを弾けるようになるため、覚えておいて損はないコードです。うまく押さえるポイントは、正しい構え方を意識することです。ギターと体が離れすぎていたり、指の腹全体で押さえたりしていると、力が入りにくくて思うように音が出せません。

▼ パワーコード

元々ロックのギターで和音を使用する際に、三和音では音が柔らかすぎるという理由で使われ始めたコードです。指1〜2本で押さえられる上に、メジャー・マイナーの区別を考える必要もないため、初心者でもチャレンジしやすいという特徴があります。


■ 苦手を克服するバッキング練習法

▼ メトロノームを使ってゆっくりのテンポから始める

必ずメトロノームを使用して、50BPMぐらいから始めるのが基本です。右手の振りを一定にし、コードチェンジがスムーズにできるようになったら、少しずつテンポを上げていきます。綺麗にコードチェンジができないスピードになったら少し戻してやり直すことが大切です。

▼ 好きな曲で実践する

理論だけでなく、実際の曲を弾きながら練習するほうが、楽しく続けやすいという声も多くあります。「曲名 + コード」で検索すれば、歌詞とコードが掲載されたサイトが簡単に見つかります。

▼ 自分の得意・不得意を把握してバランス良く練習する

ソロは弾けるけどバッキングが苦手、あるいは指は速く動かないけどリズムに安定感がある、というように、得意・不得意には個人差があります。自分の得意な面をさらに伸ばす練習と、苦手な面を克服する練習をバランス良く行うことで、苦手意識がなくなっていきます。


■ 50代がバッキング練習で意識したいこと

▼ 「地味」だからこそ丁寧に取り組む価値がある

バッキングは目立たない分、正しく評価されにくい技術です。しかし、演奏時間の大半を占めるこの技術を丁寧に磨くことが、演奏全体の質を大きく高めます。

▼ リズムの安定感が何より大切

伴奏を担当するバッキングのリズムがあやふやだと、曲全体があやふやな感じになってしまいます。バッキングの存在は、思っている以上に大きいと言えます。

▼ 焦らず継続することが上達の鍵

どんなに重要性を理解しても、どんなに優れた練習法でも、練習を継続しなければ効果は現れません。しかし、毎日少しでも練習をすれば着実に上達していきます。


■ まとめ:バッキング上達のポイント

ポイント内容
バッキングの重要性演奏時間の9割以上を占める基礎技術
基本パターンコードバッキング・アルペジオ・単音バッキング
上達のコツ周りの音を聴く・スケールで合いの手を作る
練習法メトロノームでゆっくりから・好きな曲で実践

バッキングは「脇役」に見えて、実は演奏全体を支える最も重要な技術です。ギターソロに憧れる気持ちを大切にしながらも、まずはバッキングの練習にしっかり時間をかけることが、50代のギター上達への確かな道筋になります。


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