50代からのギター再開|バンドアンサンブルで「埋もれない」ギターの音作りとポジション術

ギター練習

「スタジオで合わせるとギターの音が聴こえなくなる」「一人で弾くとちょうどいい音なのに、バンドに入ると音が埋もれる」——セッションやバンドに参加し始めた50代のギタリストから、こんな悩みをよく聞きます。

一人で練習するときと、バンドアンサンブルの中で弾くときでは、求められる音作りとポジション(役割)が全く違います。この違いを理解するだけで、バンドの中でのギターの存在感が一気に変わります。

この記事では、50代のギター再開者がバンドアンサンブルの中で「埋もれない音」を作るための音作りとポジション術を解説します。


■ なぜ一人では良い音なのにバンドでは埋もれるのか

一人で弾くときに「いい音だ」と感じていた設定が、バンドに入ると突然埋もれてしまう——この現象には明確な理由があります。

バンドアンサンブルでは複数の楽器が同時に鳴っており、それぞれの楽器が異なる周波数帯を担当しています。

楽器主に担当する周波数帯
ベース低音域(〜200Hz)
バスドラム低音域(60〜100Hz)
ギター中音域(200Hz〜5kHz)
ボーカル中音域(300Hz〜3kHz)
ハイハット・シンバル高音域(5kHz〜)

ギターが埋もれる最大の原因は「中音域(MID)が不足していること」です。


■ バンドアンサンブルでのギターの役割

ギターはバンドの中で主に2つの役割を担います。

▼ バッキング(伴奏)
コードを弾いてハーモニーを支える役割。ドラムとベースのリズムの上で、コードのグルーヴを作り出します。

▼ リードギター(ソロ・メロディー)
メロディーラインやアドリブソロを担当する役割。バッキングよりも前に出た音作りが求められます。

50代のセッション参加では、まず「バッキング」の役割を安定してこなすことを目標にしましょう。


■ 「埋もれない音」を作る4つのポイント

▼ ① MIDDLEを上げる

バンドアンサンブルではMiddleをカットしすぎるとベースとドラムに埋もれてギターの存在感が消えてしまうのが落とし穴です。プロのメタルギタリストはMiddleをもう少し上げて、バンドの中での「抜け」を確保しています。

一人で弾くときより少しMIDDLEを上げるだけで、バンドの中での存在感が大きく変わります。目安はMIDDLEを6〜7程度に設定してから他の楽器と合わせてみましょう。

▼ ② ドンシャリを避ける

BASSとTREBLEを上げてMIDDLEをカットした「ドンシャリ」設定は、一人で弾くと迫力があるように聞こえますが、バンドアンサンブルではギターの存在感が消えてしまいます。

バンドの中ではMIDDLEを確保した設定が基本です。

▼ ③ 音量より「音の密度」を意識する

バンド内でギターが聴こえないとき、音量を上げようとしがちですが、音量を上げるより「音の密度(中音域の充実)」を上げる方が効果的です。

曲が盛り上がるにつれ、少しずつギター側のボリュームを上げていくと良いでしょう。ピッキングとボリュームを上げることがブースターの役割を果たすと考えておくと良いでしょう。

▼ ④ アンプの正面で音を確認する

スタジオでアンプの後ろや横に立って音を確認していると、実際に他の人が聴いている音とは別の音を聴いていることになります。アンプの正面に立って、他のメンバーが聴いている音を基準に音作りをしましょう。


■ バッキングギターの基本ポジション術

バンドアンサンブルでのギターのポジション(役割)を意識することで、音楽的な演奏ができるようになります。

▼ ポイント① 音を「引き算」で考える

バンドアンサンブルでは、全員が音を出しすぎるとごちゃごちゃした音になります。ギターは「自分が何を弾かないか」を意識することも重要です。

ボーカルが歌っているときはコードを薄く弾く、ドラムのフィルが入るときはギターを少し控える——このような「引き算の演奏」がバンドサウンドを豊かにします。

▼ ポイント② リズムをドラムに合わせる

バッキングギターはドラムのリズムに合わせて弾くことが基本です。特にバスドラムとスネアのタイミングを意識してストロークすることで、自然なグルーヴが生まれます。

▼ ポイント③ コードのボイシングを変える

バンドにキーボードや2本目のギターがいる場合、同じコードでも弾く音域(ボイシング)を変えることで音がぶつからなくなります。

例えばキーボードが低音域でCコードを弾いているなら、ギターは高音域のCコード(ハイポジション)で弾くことで、棲み分けができます。

▼ ポイント④ バッキング中の音量はソロより小さめに

バッキング中のギターは、他の楽器と「同じくらい」の音量に設定します。バッキングとソロで音量差をつけることで、ソロが際立って聴こえるようになります。


■ セッションでよく使うバッキングパターン

▼ ブルースのバッキング

キーAのブルース12小節進行では、1・4・5弦のパワーコードシェイクを使ったシャッフルリズムのバッキングが定番です。音を厚くしすぎず、リズム感を重視して弾くことがポイントです。

▼ ジャズのバッキング

ジャズセッションでは「コンピング」と呼ばれるバッキングスタイルが使われます。コード全体を常に弾くのではなく、コードの一部を短く「チョン・チョン」とリズミカルに弾く奏法です。他の楽器の邪魔をしない「空気を読んだバッキング」がジャズの基本です。


■ 50代がバンドアンサンブルで意識すること

意識すること具体的な行動
「聴く」ことを最優先する自分の音だけでなく、他の楽器の音を常に聴きながら弾く
MIDDLEを確保するバンドの中ではMIDDLEを6〜7に設定する
引き算の演奏をする音を「足す」より「引く」ことを意識する
リズムをドラムに合わせるバスドラムとスネアのタイミングを意識する
バッキングとソロの音量差をつけるバッキング時は音量を控えめにする

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