「今日は体調がいまいちだから、練習は明日にしよう」——多くの方がこう考えるのではないでしょうか。しかし実は、コンディションが万全でない日にこそ、大きな価値のある練習ができるという考え方があります。
この記事では、50代のギター再開者向けに、体調が万全でない日を練習のチャンスに変える考え方を解説します。
■ なぜ「絶好調な時」の練習には限界があるのか
通常、練習しているときの健康状態や精神状態は、かなり良い時であることが多いものです。しかし、本番でステージに立つ時、人前で演奏する時、家族に披露する時など、実際に演奏を求められる場面で、絶好調な状態でいられることは、実は稀です。
つまり、普段の練習が「絶好調な自分」だけを基準にしていると、いざという時に「あれ、こんなはずじゃなかった」という差が生まれてしまうのです。
■ 「不調な自分」でも弾ける状態を目指す
意図的に、コンディションが良くない状態でギターを弾いてみることには、大きな意味があります。
▼ 例① 起きてすぐの状態で弾いてみる
寝起きの状態で、簡単なコードやスケールを間違えずに弾けるかどうかを確認してみましょう。その感覚で、どこまでの楽曲が弾けるかを試すことは、自分の本当の実力を知る良い機会になります。
▼ 例② 仕事や用事で疲れて帰ってきた瞬間
「ちょっと休みたい」と思っている時こそ、実はチャンスです。疲れた状態でも、体が覚えているフレーズはきちんと弾けるものです。この状態で練習することで、本当の意味での「体に染み込んだ技術」がどれだけあるかを確認できます。
▼ 例③ 気分が乗らない日
やる気が出ない日、なんとなく気分が沈んでいる日も、あえてギターを手に取ってみましょう。簡単なコードだけでも、余裕を持って弾ける状態を作っておくことが目標です。
■ この考え方が大切な理由
昔のアーティストのインタビューを読むと、高熱を出しながら演奏したり、怪我を隠して舞台に立ったりというエピソードがよく語られています。これは決して特別なことではなく、毎日楽器と向き合っていれば、いつかは不調な時にも演奏しなければならない場面が訪れるからです。
そうした状況を乗り越えられるように、あらかじめ準備しておくという考え方です。
■ 50代がこの考え方を取り入れる際の注意点
ただし、この考え方をそのまま実践する際には、50代ならではの配慮が必要です。
▼ 無理に体調を崩す必要はない
意図的に不調を作り出す必要はありません。日常生活の中で自然に訪れる「万全ではない瞬間」を、練習の機会として活用するだけで十分です。
▼ 体調不良時は無理をしない
本当に体調が悪い、痛みがある、発熱しているといった場合は、無理に練習する必要はありません。あくまで「軽い疲れ」「なんとなく気分が乗らない」といった、日常的なレベルのコンディションの範囲で試すことが大切です。
▼ 「弾けなくても落ち込まない」という前提を持つ
不調な状態で弾いてみて、うまくいかなかったとしても、それは自然なことです。落ち込むためではなく、自分の現在地を確認するための取り組みとして捉えましょう。
■ 「基礎練習」だからこそコンディションに左右されにくい
基礎練習は、指の動き・音感・リズム・ピッキングなど、複数の要素を同時に扱う土台です。この基礎練習をしっかりと積み重ねている人は、多少コンディションが悪くても、大きく崩れることなく演奏できる傾向があります。
逆に、基礎練習をおろそかにしていると、ある段階から急に伸び悩んでしまうことが多いとされています。コンディションに左右されない演奏を目指すには、まず基礎を丁寧に積み重ねることが土台になります。
■ 天候や環境が演奏に与える影響も知っておく
体調だけでなく、ギター自体も環境の影響を受けます。特にアコースティックギターは、湿度の変化に敏感です。湿度が低いとネックが逆反りし、湿度が高いとネックが順反りするといった変化が起こります(過去記事「湿気対策」も参考にしてください)。
自分の体調だけでなく、その日のギターのコンディションにも意識を向けることで、「なんだかいつもと違う」と感じた時の原因を、より的確に把握できるようになります。
■ 実践的な取り組み方
▼ ステップ1:普段通りの練習を基本にする
まずは、しっかりとした体調・気持ちの状態で基礎練習を積み重ねることが大前提です。
▼ ステップ2:たまに「不調な日」の練習も試してみる
週に1回程度、疲れている時や気分が乗らない時にも、軽く楽器を手に取ってみましょう。無理のない範囲で、「今の自分がどれだけ弾けるか」を確認する機会にします。
▼ ステップ3:結果を記録しておく
「今日は疲れていたけど、意外とこのコードは安定して弾けた」というように、その時の状態と結果を簡単にメモしておくと、自分の実力の変化がわかりやすくなります。
▼ ステップ4:本番前の心構えとして活かす
発表会やセッションなど、人前で演奏する機会がある場合、「絶好調でなくても弾ける状態」を作っておくことで、当日の緊張やコンディションの波にも動じにくくなります。
■ 50代がこの考え方から得られるメリット
▼ 本番での安定感が増す
日頃から「万全でない状態」でも演奏できる練習をしておくことで、実際の発表会やセッションで緊張していても、落ち着いて演奏しやすくなります。
▼ 自分の本当の実力が把握できる
絶好調な時だけの練習では見えなかった、自分の本当の実力や課題に気づけるようになります。
▼ 体調管理そのものへの意識も高まる
コンディションと演奏の関係を意識することで、日頃の体調管理そのものへの意識も自然と高まっていきます。50代の健康維持にもつながる、副次的なメリットです。
■ まとめ:体調が万全でない日を練習に活かす考え方
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 基本の考え方 | 絶好調な時だけでなく、様々なコンディションでも弾ける状態を目指す |
| 実践例 | 起床直後・疲れた時・気分が乗らない時に軽く弾いてみる |
| 注意点 | 無理に不調を作らず、本当の体調不良時は無理をしない |
| 土台となる要素 | 丁寧な基礎練習がコンディションへの耐性を作る |
| 得られるメリット | 本番での安定感・自分の実力の正確な把握 |
万全でない日の練習は、決して「サボり」ではなく、本当の実力を育てるための貴重な機会です。50代のギターライフに、ぜひこの視点も取り入れてみてください。
■ 安定した演奏をプロと一緒に目指したい方へ
コンディションに左右されない演奏の作り方は、オンラインレッスンでプロに相談すると具体的なアドバイスが得られます。


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