「セブンスコードは覚えたけど、sus4とかadd9とか、まだ知らないコードがある」——過去記事「セブンスコードの仕組みと使い方」でおしゃれな響きの作り方をご紹介しましたが、さらに手軽に演奏に彩りを加えられる「sus4」「add9」というコードがあります。
この記事では、50代のギター再開者向けに、sus4・add9コードの仕組みと、実践的な使い方を解説します。
■ sus4コードとは何か
sus4コードは、通常のメジャーコードやマイナーコードから、3度の音を4度に置き換えたコードです。「3度の音」がないため、メジャーでもマイナーでもない、浮遊感のある響きが特徴です。
不安定な響きなので、次にメジャーコードやマイナーコードに解決(元の安定した響きに戻る)することが多いという性質を持っています。
▼ ギターでの押さえ方のイメージ
Cコードのフォームから、中指で押さえている4弦2フレット(Cコードの3度であるEの音)を、一つ上のフレット(Fの音)に移動させるだけでCsus4になります。この時、4弦3フレット(Fの音)は小指で押さえるのが基本です。1弦の開放弦はEの音になるため、ミュートするか、1フレットを押さえる必要がある点に注意しましょう。
つまり、すでに知っているコードのフォームから、指を1本ずらすだけで作れる場合が多く、比較的手軽に取り入れられるのが魅力です。
■ add9コードとは何か
add9は「アドナインス」と読み、「9度の音を加える」という意味です。三和音のメジャーコードに、長9度(ナインス)の音を加えた四和音のテンションコードです。
過去記事「セブンスコードの仕組みと使い方」でご紹介したセブンスコードと似ていますが、add9は7度の音を含まないため、セブンスコードよりも軽やかで、透明感のある響きになる傾向があります。
■ sus4とadd9、それぞれの響きの違い
| コード | 響きの特徴 |
|---|---|
| sus4 | 浮遊感があり不安定・解決したくなる響き |
| add9 | 軽やかで透明感のある響き |
どちらも、基本の3和音に、たった1音を加える、あるいは変化させるだけで、演奏に新しい彩りを加えてくれる、手軽で効果的なコードです。
■ なぜこうしたコードが「スケール外の音」を使えるのか
一般的に、コードはスケールに基づいて構成されますが、スケール外の音を使っても問題ないとされています。むしろ、音楽においてスケール外の音を使うことは、色彩を加える方法としてよく用いられる技法です。sus4やadd9は、こうしたスケール外の音を効果的に使って、音楽に豊かさを与える代表的な例です。
■ 実践的な使い方の例
▼ コード進行の中でのつなぎとして使う
例えば「C → Csus4 → C」というように、同じコードの中で一時的にsus4を挟むことで、コード進行に自然な流れと表情が生まれます。過去記事「同じコードなのに音が違う」(「開放弦を使ったコードの魅力」参照)でも触れたように、こうしたちょっとした変化が、演奏全体の印象を大きく左右します。
▼ 弾き語りのイントロやアウトロで使う
sus4の持つ「解決を待つ」性質は、曲の始まりや終わりに、印象的な効果をもたらします。多くのヒット曲のイントロで、sus4コードが効果的に使われています。
▼ add9でシンプルなコード進行に深みを加える
過去記事「オリジナル曲の作り方入門」でご紹介した、C・Am・F・Gといったシンプルな循環コードも、Cの代わりにCadd9を使うだけで、洗練された印象に変わります。
■ 他にも知っておきたいテンション系コード
sus4・add9の他にも、様々な発展形のコードがあります。
▼ 7sus4
sus4にセブンスの音を加えたコードです。ブルースやファンクなどでよく使われます。
▼ sus2(add9と近い響き)
3度の音が2度に変化したコードです。add9と別名で呼ばれることもあるほど、近い性質を持っています。
これらは総称して「テンションコード」と呼ばれ、ルート・3rd・5th・7thの4音で構成される4和音(セブンスコード)に、さらに音を加えたものを指すこともあります。過去記事「セブンスコードの仕組みと使い方」を土台に、こうした発展形のコードにも少しずつ触れてみると、演奏の幅がさらに広がります。
■ どんなジャンルで使われることが多いか
テンションコードは、ジャズやR&B、おしゃれなポップスなど、複雑な響きが求められるジャンルでよく使われるコードです。モダンなロックやファンクなど、ストリングスやピアノ、管楽器が入る音楽でも使われる傾向があります。
一方、シンプルな弾き語りやロックなどでは使用頻度が低く、ジャンルによって差があるとされています。過去記事「昭和フォーク・歌謡曲の弾き語り10選」でご紹介したようなシンプルな曲でも、要所にこうしたコードを差し込むことで、独自の味わいを加えることもできます。
■ 50代がこの知識を練習に取り入れるメリット
▼ 手軽に演奏の表現力が広がる
すでに知っているコードのフォームから、指を少し動かすだけで作れることが多いため、大きな負担なく取り入れられます。
▼ 長年聴いてきた曲の理解が深まる
「なぜこの部分がおしゃれに聞こえるのか」という理由が、こうしたコードの知識を通じて理解できるようになります。過去記事「セブンスコードの仕組みと使い方」でも触れたように、音楽理論の知識は、既存の曲への理解も深めてくれます。
▼ オリジナル曲づくりの選択肢が増える
過去記事「オリジナル曲の作り方入門」でも触れたように、コード進行のバリエーションが増えることで、作曲の楽しみも広がります。
■ 50代がこの知識を練習に取り入れる際のアドバイス
▼ まずは知っているコードのフォームから少しずつ試す
いきなり新しいフォームを覚えようとせず、すでに弾けるコードから、指を1本動かすだけで作れるsus4やadd9から試してみましょう。
▼ 音の響きの違いを耳で感じる
理論的な理解より先に、まずは実際に音を出して、それぞれのコードが持つ響きの違いを、自分の耳で感じてみることが大切です。
▼ 好きな曲の中で探してみる
長年聴いてきた曲の中に、実はsus4やadd9が使われている場面があるかもしれません。探してみると、新しい発見があります。
■ まとめ:sus4・add9コードの基本
| コード | 作り方 | 響きの特徴 |
|---|---|---|
| sus4 | 3度の音を4度に変える | 浮遊感があり、解決したくなる響き |
| add9 | メジャーコードに9度の音を加える | 軽やかで透明感のある響き |
sus4・add9は、すでに知っているコードのフォームから手軽に作れる、演奏に彩りを加えるコードです。50代のギターライフに、ぜひこの知識を取り入れて、新しい響きの世界を楽しんでみてください。
■ コード理論をプロと一緒に学びたい方へ
sus4・add9コードの実践的な使い方は、オンラインレッスンでプロに教えてもらうと理解が一気に深まります。


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