「エレキギターにボルトオンとかセットネックって言葉があるけど、何が違うの?」「ハイポジションが弾きにくいギターがあるのはなぜ?」——ギター選びをしている50代の方から、こんな疑問をよく聞きます。
ネックとボディの接合方法(ネックジョイント)は、ギターの音色だけでなく、ハイポジション(高い音域のフレット)の弾きやすさにも大きく影響する、意外と見落とされがちな要素です。
この記事では、50代のギター再開者向けに、代表的なネックジョイントの種類と、それぞれのハイポジションの弾きやすさを解説します。
■ ネックジョイントとは何か
ネックジョイントとは、ギターのネック(棹の部分)とボディをどのように接合しているかという構造のことです。この接合方法によって、音の伝わり方(サスティーンの長さなど)や、ハイポジションでの弾きやすさが変わってきます。
代表的な方式には「ボルトオン」「セットネック」「スルーネック」の3種類があります。
■ ① ボルトオン:フェンダー系に多い定番方式
ボディとネックをそれぞれ加工してからネジで固定する方式です。最終の工程までネックとボディが別々の状態で製作を進められるので効率が良く、比較的安いコストで製作できます。そのため様々なメーカーのモデルで採用されています。
▼ 音の特徴
ネックとボディが分離した構造のため、比較的タイトで歯切れの良いサウンドになる傾向があります。
▼ ハイポジションの弾きやすさ
ボルトオンの場合、ネックをねじ止めするためにボディをネックの下にある程度伸ばす必要があり、ジョイント部分の出っ張りが大きくなります。そのため、ハイポジションの演奏性は他の方式に比べてやや落ちる傾向があります。
ただし、接合部の形状にも種類があります。四角の平行な面が必要な「プレートタイプ」に比べ、ネジを固定する面積だけで済む「ブッシュタイプ」の方が、角を丸めたり厚みを減らしやすいので、ハイポジションが弾きやすいものが多くなっています。
■ ② セットネック:ギブソン系に多い伝統方式
ネックとボディを接着剤で固定する方式です。ボルトオンに比べて振動の伝達効率が良く、豊かなサスティーン(音の伸び)が得られるとされています。
▼ 音の特徴
木材同士がしっかりと密着するため、温かみのある太いサウンドになる傾向があります。
▼ ハイポジションの弾きやすさ
ボルトオンよりは出っ張りが少なくなる傾向がありますが、モデルによって差があります。ヒール(ネックとボディの接合部)の形状を工夫することで、演奏性を高めているモデルも多くあります。
■ ③ スルーネック:一本の木材でできた高級仕様
基本的にヘッドからボディの中心部まで一本の長い木材で製作されており、弦振動のロスが非常に少ないのでサスティンが伸び、輪郭のあるサウンドになります。一本の長いネックを中心に、サイドからボディ材を張ったものが一般的です。
▼ 音の特徴
3つの方式の中で最もサスティーンが長く、輪郭のはっきりした音が得られるとされています。
▼ ハイポジションの弾きやすさ
ジョイントがないので、ヒール部分の自由度はとても高く、ハイポジションまで滑らかに削り込むことができます。3つの方式の中では最もハイポジションが弾きやすい傾向にあります。
■ 3つの方式の比較表
| 方式 | 音の特徴 | ハイポジションの弾きやすさ | コスト |
|---|---|---|---|
| ボルトオン | タイトで歯切れが良い | やや弾きにくい傾向 | 比較的安価 |
| セットネック | 温かみがあり太い音 | モデルによる | 中程度 |
| スルーネック | サスティーンが長い | 最も弾きやすい | 高価な傾向 |
■ ヒール形状のカスタムという選択肢
ヒール形状のカスタムはオーダーメイドでもかなり人気があり、ハイフレットの弾きやすさにこだわりを持っている方が多くいます。演奏性に関しては、カッタウェイを深くして手を入りやすくしたり、ヒールの角の裏側をカットしたりと、さらにカスタムする方法もあります。
既製品のギターを選ぶ際にも、ヒール部分の形状がどのように加工されているかを確認することで、ハイポジションの弾きやすさをある程度予測できます。
■ 自分にどのジョイント方式が向いているか
▼ 速弾き・ソロプレイを重視する方
ハイポジションを頻繁に使う演奏スタイルであれば、スルーネックやヒール形状が工夫されたモデルを検討する価値があります。
▼ コストを抑えたい方
ボルトオンは比較的安価なモデルが多いため、予算を抑えながら1本目・2本目を選びたい方に向いています。
▼ 太く温かみのある音を求める方
セットネックは、ロックやブルースなど、太い音を求めるジャンルとの相性が良いとされています。
▼ バランスを重視する方
現代の多くのギターは、ジョイント方式に関わらず、ヒール形状の工夫によってハイポジションの弾きやすさが改善されています。あまり方式にこだわりすぎず、実際に試奏してみることも大切です。
■ 50代がネックジョイントを知るメリット
▼ ギターのスペック表への理解が深まる
「ボルトオン」「セットネック」という表記を見たときに、大まかな特徴をイメージできるようになると、ギター選びの視野が広がります。
▼ 弾きにくさの原因を理解できる
「なぜこのギターはハイポジションが弾きにくいんだろう」と感じたとき、ネックジョイントの構造が原因かもしれないと気づけるようになります。
▼ 試奏がより実りあるものになる
楽器店で試奏する際、ジョイント方式による音の違いやハイポジションの弾きやすさの違いを意識しながら弾き比べることで、より納得のいくギター選びができます。
■ 実際に試奏するときのチェックポイント
▼ ハイポジションでの押さえやすさを確認する
15フレット以上の高いポジションで、実際にコードやフレーズを弾いてみて、指の入りやすさを確認しましょう。
▼ ヒール部分の形状を目視・触感で確認する
ネックとボディの接合部分を実際に見て、角ばっているか、丸みを帯びているかを確認すると、演奏性の違いをイメージしやすくなります。
▼ 音のサスティーンを聴き比べる
単音を弾いて、音がどのくらい伸びるかを比較してみると、ジョイント方式による音の違いを体感できます。
■ まとめ:ネックジョイントの種類と特徴
| ジョイント方式 | 代表的なブランド | 特徴 |
|---|---|---|
| ボルトオン | フェンダー系 | タイトな音・コストが抑えられる |
| セットネック | ギブソン系 | 温かみのある太い音 |
| スルーネック | 高級モデルに多い | サスティーンが長くハイポジションが弾きやすい |
ネックジョイントは、音色とハイポジションの弾きやすさの両方に関わる、奥深い要素です。50代のギター選びにおいて、ぜひこの視点も取り入れながら、自分にとって最適な1本を見つけてみてください。
■ 自分に合ったギター選びをプロに相談したい方へ
ネックジョイントを含めた自分に合ったギター選びは、オンラインレッスンでプロに相談すると具体的なアドバイスが得られます。


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