「楽器店に行っても、試奏が恥ずかしくて何もできずに帰ってしまった」「何を弾けばいいのかわからない」——ギターの購入を検討している50代の方から、こんな声をよく聞きます。
試奏をせずに通販だけで購入すると、音のイメージが違って後悔することもあります。試奏は自分に合ったギターを見つけるための大切なプロセスであり、上手さを競う場ではありません。
この記事では、50代のギター再開者向けに、楽器店での試奏マナーとチェックポイントを解説します。
■ 試奏で「恥ずかしい」と感じてしまう理由
初心者にとっては、どんなフレーズを弾けばいいのか、何を弾くべきか分からず、試奏という行為自体が大きなハードルに感じられることがあります。「もし買わないことになったら気まずいのでは」「マナーを知らずに失礼なことをしてしまわないか」といった不安も、試奏に踏み出せない理由としてよく挙げられます。
しかし、試奏として向いていないのは「難しいフレーズばかり弾く」ことと「ぜんぜん弾かない」ことの両方だとされています。恥ずかしくて弾かない、つまりそもそも音を出していない状態では、楽器の状態も自分に合うかどうかも判断できません。
■ 試奏は「上手さを試す場」ではない
正直、良い楽器を選ぶにあたって難しいことは不要です。以下のようなシンプルな確認だけで、何かしらの決め手は見つかります。
- 抱えて、構えて
- 弦を適当に押さえて
- じゃらーん、ボーンとやってみる
- 見た目や重さをチェックして
- 特徴や機能の確認をする
上手い・下手を判定されることも、売り込みをされることもありません。適当にコードをジャカジャカ鳴らすだけで良いのです。
■ 試奏の基本的な流れ
▼ ステップ1:店員に声をかける
「このギターを試奏してもよろしいでしょうか?」と尋ねるのが基本です。展示されているギターを勝手に手に取るのはマナー違反にあたります。たとえ手が届く位置にあったとしても、必ずスタッフの許可を得てから触れるようにしましょう。
▼ ステップ2:準備をしてもらう
店員がチューニングや椅子、必要であればアンプなどを準備してくれます。ピックやシールドなどは、お店のものを借りられることがほとんどです。
▼ ステップ3:試奏する
まずは簡単なコードやフレーズで十分です。音を出さないと楽器のコンディションもわからないので、簡単なフレーズでもいいのでじっくりと弾いてみましょう。
▼ ステップ4:お礼を伝える
試奏が終わったら「ありがとうございました」と一言添えましょう。購入しない場合も「検討します」などと伝えれば問題ありません。試奏したあとに購入しないことは、基本的にマナー違反ではありません。
■ 試奏時の基本マナー
▼ アクセサリー類に注意する
腕時計やベルトの金具、ブレスレットなどがギターに接触して傷をつけてしまうことがあります。できれば、試奏前に外しておくと安心です。
▼ 爪を短く整えておく
左手の爪が伸びていると、上手に弦を押さえられません。事前に爪切りを済ませておくと、より快適に試奏できます。
▼ 音量に配慮する
大音量で演奏すると、他のお客さんの迷惑になるだけでなく、店員とのコミュニケーションも取りにくくなります。アンプのボリュームは適度に調整しましょう。
▼ 展示されている楽器を無断で触らない
ギターハンガーやスタンドに展示されている楽器に触りたくなる気持ちはわかりますが、必ず先に店員に声をかけましょう。落下・転倒によるトラブルは意外と多いものです。
▼ 試奏時間は適度に区切る
1本あたり10分から15分程度が目安とされています。複数のギターを試奏する場合は、時間を区切って効率的に行いましょう。
■ 試奏でチェックしたい3つのポイント
▼ ① ネックの状態を確認する
まず、楽器全体の状態をチェックしましょう。ネックの反り、ジャック(シールド接続部)の接続不良、ツマミの接続不良(ガリ)などがないか確認します。中古品の場合は特に注意して見ておくと安心です。
▼ ② 弾きやすさ・フィット感を確認する
一般的には弦高が低く、ネックが細いほうが弾きやすいとされていますが、手の形や筋力によって感じ方は異なります。実際に握ってみて、自分にとって一番しっくりくるものを選びましょう。弦高はある程度調整できますが、ネックの太さは調整できないため、特に注意して確認したいポイントです。
▼ ③ サイズ感・重さを確認する
見た目も音も良くても、絶望的に重くて持ち上げるのが辛いギターでは、練習が続きません。ある程度体格にあったものを選ぶことは、上達に直接つながる部分でもあります。構えたときにしっくりくるかどうかも、大切な判断材料です。
■ エレキギターの試奏で気をつけたいこと
▼ 同じアンプ・同じ設定で比較する
エレキギターの音色はアンプの影響を大きく受けます。複数のモデルを比較する場合は、同じアンプ・同じ設定で試すことで、より公平に比較できます。
▼ クリーンでフラットな音を確認する
まず「クリーンでフラット(無垢)な音を聞くこと」が大切なチェックポイントとされています。歪ませたエフェクトのかかった音だけでなく、素の音の質感を確認しましょう。
■ 試奏しやすい時間帯・店舗選び
▼ 平日の昼過ぎから夕方がおすすめ
学生や会社員が少なく、店内が比較的空いていることが多いため、落ち着いた環境で試奏ができます。土日祝日や学校・会社帰りの時間帯は混雑しがちで、試奏スペースが埋まっていたり、店員が対応に追われて質問しづらいこともあります。
▼ 郊外の中規模店舗も選択肢に
都心の大型楽器店は試奏スペースや機材が充実している一方、人が多く落ち着かないこともあります。郊外にある中規模の楽器店や、比較的空いている時間帯を狙うのもおすすめです。
■ 何本か弾き比べることの大切さ
初心者の場合、一本目のギター選びは慎重に行いたいところです。気になるモデルを何本か弾き比べてから購入を決めるのは自然な流れです。まったくギターを弾いたことがない人でも、数本弾き比べれば音や弾きやすさなど、何かしらの違いに気づけるはずです。
同価格帯の似たモデル同士で比べるのも良いですが、いい音で弾きやすいギターがどんなものなのかを知るために、上位機種と比較してみるのもおすすめです。
■ どうしても弾けない場合の対処法
「そもそも何も弾けない」「人前で弾くのはちょっと」という場合は、店員に代わりに試奏してもらうという方法もあります。客観的に楽器の良し悪しを判断できるので、遠慮せず依頼してみましょう。
■ 50代が楽器店で試奏する際のアドバイス
▼ 「初心者です」と正直に伝える
「初心者で何も弾けないけれど、ギターが好きなので教えてほしい」と正直に伝えて、納得いくまで店員に話を聞くという姿勢で十分です。今現在の腕前と、これから何を買いたいかは別の話です。
▼ 良い店員・良い店を見つける
色々教えてもらえて楽しかったと感じられるお店の店員さんは、その後のギターライフの力強い味方になってくれます。まずは色々なお店に足を運んで、現物を見て、触らせてもらうところから始めましょう。
▼ 完璧を目指さず、感性を大事にする
まずは背伸びせずに、その時の感性を大事に選びましょう。デザインや色、形なども、モチベーションに関わる大切な要素です。
■ まとめ:試奏マナーとチェックポイント
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 声かけ | 必ず店員に一声かけてから触れる |
| 音量配慮 | 他のお客さんへの迷惑にならないよう調整する |
| チェック項目 | ネックの状態・弾きやすさ・サイズ感 |
| 時間の目安 | 1本あたり10〜15分程度 |
| 心構え | 上手さを競う場ではない・複数本を弾き比べる |
試奏は決して怖いものではありません。マナーを守りながら、自分の感性を大切に、納得のいく1本を見つけてみてください。
■ ギター選びをプロに相談したい方へ
試奏時のチェックポイントや自分に合ったギター選びは、オンラインレッスンでプロに相談すると具体的なアドバイスが得られます。


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