「歪ませて弾いていたら急に『ピー』という音が鳴り続けて焦った」「セッションで音量を上げたらハウリングが止まらなかった」——エレキギターで歪みサウンドを楽しんでいる50代の方から、こんな悩みをよく聞きます。
ハウリングは、原因の仕組みを理解すれば、意外と対策の敷居は高くありません。この記事では、50代のギター再開者向けにハウリングの原因と、今すぐできる解決法を解説します。
■ ハウリングとは何か
エレキギターのハウリングは、ギターの弦振動をピックアップで拾ってアンプから出力し、そのアンプからの出力で空気が振動し、その空気の振動がギターと弦を再び振動させ、その弦振動をピックアップが拾ってアンプから出力する、というループが繰り返されることで発生します。
厳密には「フィードバック」と「ハウリング」は別の現象です。フィードバックはアンプ音によってギターのボディが共振し弦を振動させるため、弦をミュートすれば音が止まります。一方、ハウリングは制御が難しく、意図せず起こることが多いのが特徴です。
■ ハウリングが起こりやすい原因
▼ 原因① ギターがアンプの方を向いている
ギターアンプから音が出力されていて、それをギターが拾いやすい向き、つまりアンプと向かい合った状態では、ハウリングが起こりやすくなります。単純な話ですが、これが最も基本的な原因です。
▼ 原因② 歪みの量が多すぎる
深い歪みサウンドでは平均音圧が高まり、倍音が増加し、ノイズが増大します。これらが原因になってハウリングが起きることが非常に多いです。「聞こえないから音量を上げる、音量を上げたからハウる」という悪循環に陥りがちなのが、ギタリストのジレンマとも言えます。
▼ 原因③ ピックアップの振動(ポッティング不足)
マグネットピックアップは、それ自体が振動により共振してしまわないように、ロウ漬け(ポッティング)という処理が施されています。このポッティングが不十分だと、ピックアップ自体が振動してハウリングの原因となります。特にシングルコイルのピックアップは、この現象が起きやすい傾向があります。
▼ 原因④ トレモロスプリングの共振
トレモロ搭載ギターの場合、トレモロスプリングが必要以上に共振し、その振動が弦に伝わることでハウリングが起きている場合もあります。
■ 今すぐできる5つの対策
▼ 対策① アンプとの立ち位置・向きを変える
最も基本的で効果的な対策です。アンプから出る音を浴びて弦が振動するのですから、音を浴びない位置に移動するべきです。アンプの方を向かない、アンプを他の方向に向けるといった対応で、多くのケースが改善します。
▼ 対策② ギターのボリュームを少し絞る
基本的には歪ませすぎが原因にあるため、ギターのボリュームを絞って入力レベルを下げることでハウリングを抑えられます。アンプ側のゲインを下げるよりも、ギターのボリュームを少し絞る方が音の変化が少なく、ハウリングを抑えられる場合が多いとされています。
▼ 対策③ ノイズゲートを活用する
ノイズゲートを使用することで、ある程度ハウリングも一緒に収まることが多くあります。設定は、歪ませたら出るであろうノイズがある程度収まる程度が目安です。かけすぎるとアタックやニュアンスが失われるため、少しずつ調整することが大切です。
▼ 対策④ イコライザーでハウリングの原因となる周波数を削る
振動させられている特定の周波数(主に高音域にある)のみをイコライザーでカットする方法です。素子を一つずつ下げて、ハウリングに最も影響がある周波数を探して適度にカットしていくと、効果的に抑えられます。
▼ 対策⑤ ピックアップ周りにスポンジを詰める(応用編)
ピックアップが動きやすいマウント方式のギターは、ピックアップの周りにスポンジを詰める対策が古くから行われています。ただし、これはサウンドキャラクターにも影響するため、他の対策をしても止まらない場合の手段として検討するのがおすすめです。
■ 耳に痛い高音対策:ディエッサーという選択肢
ハイゲインで歪ませすぎたギターは「耳に痛い」だけのサウンドになりがちです。そんな時はイコライザーで高域を削る方法もありますが、「ディエッサー」というエフェクトで処理する方が気持ちの良いサウンドになる場合もあります。
ディエッサーは特定の周波数だけにかかるコンプレッサーです。通常のコンプレッサーが一番大きな音から圧縮するのに対し、ディエッサーは特定の周波数のみに圧縮をかけるため、細かいピッキングのニュアンスを残しながら、耳につく高周波だけを効果的に抑えられます。
■ セッション・バンド演奏でのハウリング対策
▼ 演奏力そのものが根本的な対策になることも
アマチュア演奏家は、毎回・毎曲の演奏が不安定になりやすく、その不安定さがハウリングを起こしやすくする一因になっているという指摘もあります。裏を返せば、演奏が安定してくることで、自然とハウリングのリスクが減ることもあります。
▼ モニターからの音量にも注意する
ライブステージ上で、モニターから自分のギターの音を大きくもらっている場合、アンプと向かい合っている状態と似た状況になり、ハウリングが起こりやすくなります。PAスタッフがいる場合は、モニター音量について相談してみるのも一つの方法です。
■ 50代がハウリング対策で意識したいこと
▼ まずは基本の立ち位置から見直す
複雑な機材の導入より前に、まずアンプとの位置関係を見直すことが、最も手軽で効果的な第一歩です。
▼ 耳の健康にも配慮する
50代では、聴力への配慮も大切なポイントです。大きすぎる音量で長時間練習することは、耳への負担につながります。ハウリング対策で音量を下げる工夫は、結果的に耳を守ることにもつながります。
▼ 焦らず一つずつ試す
ハウリングの原因は複数考えられるため、一つの対策だけで完全に解決しないこともあります。立ち位置、ボリューム、ノイズゲート、EQと、順番に試しながら自分の環境に合った対策を見つけていくことが大切です。
■ まとめ:ハウリング対策の基本
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| ① 立ち位置を変える | アンプの方を向かない・距離を取る |
| ② ボリュームを絞る | ギター側のボリュームで調整する |
| ③ ノイズゲートを使う | 音が止まったときの共振を抑える |
| ④ EQで周波数をカット | ハウリングの原因となる帯域を削る |
| ⑤ ピックアップの振動対策 | スポンジ等で物理的に固定する |
ハウリングは、多くのギタリストが経験する現象ですが、原因を理解すれば対策の敷居は高くありません。焦らず一つずつ試して、自分の理想のサウンドと快適な演奏環境を両立させていきましょう。
■ 音作りの悩みをプロに相談したい方へ
ハウリングや音作りの悩みは、オンラインレッスンでプロに相談すると具体的なアドバイスが得られます。


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