「ギターの指板についている丸い印、なんとなく見ているけど意味を知らない」「なぜ12フレットだけマークが2つあるの?」——ギターを弾き続けている50代の方の中にも、こんな疑問を持ったことがある方は多いのではないでしょうか。
指板についている印は「ポジションマーク」または「フレットマーカー」と呼ばれ、単なる飾りではなく、演奏を助ける重要な目印です。この記事では、50代のギター再開者向けに、ポジションマークの意味と読み方を解説します。
■ ポジションマークとは何か
ポジションマークとは、フレット数を目視で確認しやすいように、指板に入れられている装飾のことです。多くのギターでは、1、3、5、7、9、12、15、17、19、21フレットに入っています。
これがあることで、押弦するときにフレット数の判断がしやすくなります。特に演奏に慣れないうちは、今どのフレットを押さえているのかを瞬時に把握するための、心強い道具になってくれます。
■ なぜこの位置にマークがあるのか
現在のポジションマークは、3、5、7、9、12フレットに付いているのが一般的ですが、なぜこの位置なのかについては諸説あります。
▼ 弦の長さに関係するという説
弦の長さの半分、3分の1、4分の1の場所に印がついていったという解説があります。弦の半分の位置は12フレット、弦の3分の1の位置は7フレット、弦の4分の1の位置は5フレットにあたります。この3つの音は、開放弦とともに音楽的にまとまりのある響きを持っており、古くから弦楽器の目印として使われてきたと考えられています。
▼ 単純に「奇数フレット」という説
弦楽器の歴史的背景を考えずにギターを眺めると、ポジションマークは単に奇数フレットに付いているとも言えます(12フレットを除く)。1つ飛びにマークがあることで、楽曲でよく出てくる度数進行の目印としても機能します。
▼ 明確な答えはない
実は、なぜこの位置に付いたかの明確な答えは見つかっていません。メーカーや種類によって位置にはばらつきがあり、ギブソンでは1フレットにもマークが付いていたり、マーティンの一部モデルでは3フレットに付いていなかったりします。クラシックギターの中には、マークが1つもないものや、9フレットではなく10フレットに付いている場合もあります。
■ なぜ12フレットだけマークが2つ(またはダブル)なのか
12フレットは、開放弦から1オクターブ上の音になる特別な位置です。1オクターブという音楽的な区切りの重要性から、他のフレットと区別するために2つのマークがつけられていることが多くなっています。
12フレットを基準に、その先はまた同じパターンが繰り返されます(1フレット=13フレット、3フレット=15フレット、というように、1オクターブ分ずれた同じ関係性になります)。この仕組みを知っておくと、ハイポジションでの演奏がぐっと理解しやすくなります。
■ ポジションマークの主な形状の種類
ポジションマークには、機能面だけでなく装飾としての役割もあります。ギターの弾きやすさとは直接関係ありませんが、見た目の印象を大きく左右する部分でもあります。
| 形状 | 特徴・見られるギター |
|---|---|
| ドット | 最もシンプルな丸型・フェンダー系に多い |
| ブロック | 四角い形状・レスポールカスタムなどに見られる |
| トラペゾイド | お皿を横から見たような台形・ギブソン系で最もポピュラー |
| ヘキサゴン | 六角形・マーティンの高級アコースティックに見られる |
| バード(鳥) | PRSの代名詞・各ポジションに異なる鳥のデザイン |
| シャークトゥース | サメの歯をイメージ・アイバニーズなどに見られる |
高級機種になると、ツリー・オブ・ライフと呼ばれる、全フレットに植物模様を施した非常に凝ったデザインもあります。この場合、ポジションマークが入るべきフレットには大きな葉が描かれていて区別できるよう工夫されています。
■ ポジションマークの材質
ポジションマークに使われる代表的な材質もいくつかあります。
▼ パール(マザーオブパール)
オーソドックスながらも美しい、品のある輝きが特徴です。
▼ アバロン貝
虹色に輝くのが特徴で、とても派手で豪華な印象を与えます。
材質や大きさの違いによって、同じ形状のマークでも印象が大きく変わります。楽器のグレードによってこうした素材が使い分けられていることも、ギター選びの楽しみの一つです。
■ サイドポジションマークも見逃せない
指板の表面だけでなく、ネックの側面(サイド)にも小さなポジションマークが付いていることがあります。立って演奏する際には、指板を見下ろす角度になるため、実はこのサイドマークの方が視認しやすいというメリットがあります。
上手い演奏者や、立って弾くのがメインの人は、このネックのサイドにある小さなポジションマークを目安にしている場合が多いとされています。座って練習することが多い方でも、立奏に慣れていく過程でこのサイドマークの存在に気づくと、演奏がしやすくなることがあります。
■ ポジションマークがない、または少ないギターもある
すべてのギターにポジションマークがあるわけではありません。ポーランドのあるメーカーのギターには、基本的に指板のポジションマークが無いモデルもあります。クラシックギターでも、マークが1つもないものは珍しくありません。
これは、ある程度経験を積んだプレイヤーであれば、マークがなくても指の感覚や音を頼りに演奏できるためです。初心者のうちは、マークがしっかりあるギターを選ぶことで、演奏の助けになります。
■ 50代がポジションマークを活用するメリット
▼ 演奏中に迷わなくなる
コードチェンジやポジション移動の際、マークを目印にすることで、今どこにいるのかを瞬時に把握できます。特にハイポジションでのソロ演奏では、この目印が非常に役立ちます。
▼ キーの主音(ルート)を意識しやすくなる
演奏中は常にキーの主音(一番落ち着く音)がどこにあるかを意識する必要があります。ポジションマークは、その位置を把握する手助けにもなります。例えば5弦3フレット・6弦8フレットには「C」の音がある、というように、マークを基準にした音名の配置を少しずつ覚えていくと、指板全体の理解が深まります。
▼ ギター選びの楽しみが増える
ポジションマークのデザインや材質は、ギターの個性を表す大切な要素です。今持っているギターのマークをあらためて観察してみたり、次のギター選びの際にデザインにも注目してみたりすると、新しい楽しみ方が見つかります。
■ 50代がこれから意識したいこと
▼ マークに頼りすぎず、音の感覚も育てる
ポジションマークは便利な道具ですが、いずれは指の感覚や音そのものを頼りに演奏できるようになることも目標の一つです。マークを見ながら、同時に「この音は何の音か」を意識する習慣をつけると、音感も自然に育っていきます。
▼ 自分のギターのマークをじっくり観察してみる
長年使っているギターでも、意外とポジションマークの形状や材質までじっくり見たことがないという方も多いはずです。改めて自分のギターを観察してみると、新しい発見があるかもしれません。
■ まとめ:ポジションマークの基本
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 基本の位置 | 3・5・7・9・12フレットが一般的 |
| 12フレットの意味 | 1オクターブの区切り・マークが2つのことが多い |
| 主な形状 | ドット・ブロック・トラペゾイド・バードなど |
| サイドマーク | 立奏時に見やすい目印 |
| 活用メリット | 演奏中の位置把握・音名理解の助けになる |
普段何気なく見ているポジションマークにも、機能面・装飾面それぞれの奥深さがあります。50代のギターライフに、こうした指板の知識という新しい視点を加えてみてはいかがでしょうか。
■ 指板の理解をプロと一緒に深めたい方へ
ポジションマークを活かした指板の理解は、オンラインレッスンでプロに教えてもらうと深まりやすくなります。


コメント