「これくらい練習したら、どれくらい弾けるようになるものなんだろう」「今の自分のレベルが、順調なのかどうかわからない」——ギターを再開して数ヶ月が経った50代の方から、こんな声をよく聞きます。
上達までにかかる期間は人それぞれですが、目安を知ることで目標を立てやすくなります。この記事では、50代のギター再開者向けに、期間ごとに一般的とされる上達の目安を紹介します。
■ まず知っておきたい大前提
「弾ける」の基準は曖昧なものです。「簡単な曲を人前で弾ける」「好きなアーティストの曲をコピーできる」「アドリブでソロを取れる」など、目指す目標によって必要な期間は大きく変わります。
以下でご紹介する目安は、あくまで一般的な独学者を基準にした、毎日30分〜1時間程度の練習を想定したものです。人によって全く違う結果になることも珍しくありませんので、あくまで参考程度に捉えてください。
■ 1ヶ月〜3ヶ月:コードを押さえて音が出せるようになる時期
初心者がコードを問題なく押さえられて、音が出せるようになるまでの目安は1ヶ月〜3ヶ月とされています。ギターの弦は間隔が細いため、最初はコードを押さえると指がつりそうになりがちですが、慣れてくるとスムーズにできるようになっていきます。
この時期は、指の痛みや押さえにくさに直面する、最初の関門の時期でもあります(過去記事「指の痛みとタコができるまでの期間」も参考にしてください)。ここを乗り越えられれば、比較的上達スピードが上がってくることが多いとされています。
■ 3ヶ月〜5ヶ月:コードチェンジがスムーズになる時期
コードが押さえられるようになってから、コードチェンジがスムーズにできるようになるまでの目安は3ヶ月〜5ヶ月程度とされています。
初心者は3つ程度のコードチェンジで弾ける曲からチャレンジするのがおすすめです。コードチェンジがスムーズになっても、曲をテンポよく弾けるようになるためには、さらに時間がかかることもあります。
■ 半年前後:好きな曲を自分で見つけて楽しめるようになる時期
半年を超えるころには、ある程度の基本的なコードを習得し、自分で好きな曲を見つけて楽しめるようになってくるとされています。
コードのみで1曲弾けるようになるまでは、5ヶ月程度という目安もあります。この時期になると、練習そのものへの手応えを感じられる方も多くなってきます。
■ 8ヶ月〜1年:人前で演奏できるようになる時期
初心者が人前で演奏できるようになるまでの目安は、8ヶ月〜1年以上とされています。ライブや発表会の場合、1曲で終わりではなく、最低でも5〜6曲を習得する必要があることが多いためです。
1曲だけであれば多くの人が8ヶ月程度で演奏できるようになる一方、5曲となると1年近くかかる人もいるため、幅を持たせた目安になっています。
弾き語りなど、歌と演奏を同時に行えるようになるには、コードチェンジがスムーズになってから、さらに2〜3ヶ月程度かかるとされています。歌とギターを別々に練習して、両方ができるようになってから合わせるという進め方(過去記事「弾き語りの分離練習法」も参考にしてください)が効果的です。
■ 1年を超えると:ソロやメロディーへの挑戦が始まる時期
1年を超えるころには、コードだけでなく、ソロのメロディーも勉強し始められるようになってくるとされています。ギターソロを弾けるようになるまでの期間は、コードを弾けるようになるよりも時間がかかる傾向があります。
ギターソロを弾くにはスピードが要求されることがあり、また曲で使われているスケール(過去記事「スケールの覚え方」も参考にしてください)をある程度把握しておく必要があるためです。ギターソロ付きの曲を弾けるようになるまでの期間は、早くとも3ヶ月、通常は半年程度はかかるとされています。
■ 3年:中級レベルの目安
ギター上達の期間は、1〜3ヶ月で簡単な曲、1年で初中級、3年で中級というのが、一つの現実的な目安とされています。3年間、一生懸命練習を続けることができれば、「ある程度上手く弾けるようになった」と感じられる方が多いようです。
■ 「一万時間の法則」という考え方
プロ並みの上達を目指すなら、「一万時間の法則」という考え方も一つの目安になります。どんなプロでも、その領域に達するまでに1万時間以上の練習をしているという考え方です。
これはあくまでプロを目指す場合の極端な目安であり、趣味として楽しむ多くの方にとっては、必ずしも目指す必要のあるゴールではありません。あくまで「継続することの価値」を示す一つの参考として捉えると良いでしょう。
■ 90%が1年以内に挫折するという現実
大手ギターメーカーの調査によると、ギターを始めた人のうち約90%が1年(あるいは90日)以内に辞めてしまうというデータがあります。
これは裏を返せば、「続けること自体」が、実はとても価値のあることを示しています。上達スピードの速い遅いよりも、まず「続けている」という事実そのものが、大きな財産になるのです。
■ 年齢が上達に与える影響について
年齢と身体能力の関係については、10代〜20代は吸収が速い一方、30代以上でも継続することで同レベルに到達できるとされています。指の柔軟性は、ストレッチ(過去記事「指を開くためのストレッチ法」も参考にしてください)で補うことができます。
50代からギターを始めた、あるいは再開した方でも、継続することで着実に上達していくことは十分に可能です。
■ 上達を加速させる要因
▼ 環境と教材
近年はYouTube・アプリなど教材が充実しており、昔と比べて上達スピードが上がりやすい環境が整っています。
▼ 独学とレッスンの組み合わせ
独学メインで、月に1〜2回程度レッスンを併用する「ハイブリッド」なスタイルが、最も効率よく上達できるという考え方もあります(過去記事「独学の限界を超える」も参考にしてください)。
▼ 毎日触れる習慣
まとまった時間よりも「毎日触る習慣」が効果的とされています。1日5分〜10分でも良いので、毎日ギターを手に取ることが、上達スピードを左右する最大の要因の一つです。
■ 50代がこの目安を活用する際の心構え
▼ 自分の「弾ける」を決めておく
上達の目安は目標によって大きく変わります。まずは自分にとっての「弾けるようになったら嬉しい状態」を、具体的に思い描いておくと、練習の道筋が立てやすくなります。
▼ 目安はあくまで参考として捉える
これらの目安は、あくまで一般的な傾向です。自分のペースがこれより遅くても、それは決しておかしなことではありません。焦らず、自分自身の成長を見つめることが大切です。
▼ 「続けている」こと自体を評価する
90%が1年以内に挫折するという現実を踏まえると、続けているだけで、すでに大きな価値を積み上げていると言えます。
■ まとめ:期間ごとの上達の目安
| 期間 | 目安となる状態 |
|---|---|
| 1〜3ヶ月 | コードを押さえて音を出せるようになる |
| 3〜5ヶ月 | コードチェンジがスムーズになる |
| 半年前後 | 好きな曲を自分で見つけて楽しめる |
| 8ヶ月〜1年 | 人前で演奏できるレベルに近づく |
| 1年以降 | ソロやメロディーへの挑戦が始まる |
| 3年 | 中級レベルの一つの目安 |
上達の目安を知ることは、目標を立てる上での参考になります。ただし、最も大切なのは、目安に一喜一憂しすぎず、自分のペースで続けていくことです。50代のギターライフに、ぜひこの心構えを大切にしてみてください。
■ 自分に合った練習計画をプロと一緒に立てたい方へ
自分のペースに合った練習の進め方は、オンラインレッスンでプロに相談すると具体的なアドバイスが得られます。


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