ギターを再開しようと思ったとき、最初に困るのが「どの順番で進めればいいのか」です。個別の情報は探せば見つかりますが、全体の地図がないと、今の自分がどこにいるのかがわかりません。
この記事では、再開初日から1年後までを5つの段階に分け、それぞれの時期に何をやるかを整理しました。長期の見通しを持つための地図として使ってください。
なお、この通りに進まなくても問題ありません。段階を飛ばす人も、途中で止まる人もいます。目安として捉えてください。
■ 全体像
| 時期 | やること | この時期の目標 |
|---|---|---|
| 0〜1週目 | 楽器の準備・3つのコード | ギターに触る日を作る |
| 1〜3ヶ月目 | 練習の形を決める | 習慣として定着させる |
| 3〜6ヶ月目 | 1曲を仕上げる | 通して弾ける曲を1つ持つ |
| 6ヶ月〜1年目 | レパートリーを増やす | 5曲まで積み上げる |
| 1年目以降 | 外に出る | 誰かと合わせる・聴かせる |
■ 第1段階:0〜1週目「準備と再会」
▼ この時期にやること
・押し入れのギターの状態を確認する(弾く前に)
・弦を交換する
・チューニングと構え方を思い出す
・C・G・Amの3つのコードだけ触る
▼ この時期の注意点
Fコードには手を出さないでください。再開初週でバレーコードに挑戦して挫折する人が非常に多いためです。
また、指先の痛みが必ず出ます。痛みが出たらその日は終了、を守ってください。
▼ この時期のゴール
7日目に、3つのコードで8小節弾ければ十分です。
▶ 押し入れのギター、まだ使えます【状態チェック7項目】
▶ 最初の7日間にやることリスト
■ 第2段階:1〜3ヶ月目「習慣化」
▼ この時期にやること
・弾く時間帯を固定する
・1回30分の練習メニューを組む
・Fコードなどのバレーコードに取りかかる
・音を出せない時間帯の練習方法を用意する
▼ この時期の注意点
最も脱落が多いのがこの時期です。上達の実感がまだ得られず、指も思うように動かないためです。
対策は、上達を評価しないことです。この時期の目標は上達ではなく、ギターが生活の中に居場所を持つことです。
▼ この時期のゴール
「週に何日弾いたか」が安定していれば成功です。
▶ 30分の練習メニューの作り方
▶ 朝練と夜練はどっちが効果的?
▶ 夜でも弾ける音量対策
■ 第3段階:3〜6ヶ月目「1曲を仕上げる」
▼ この時期にやること
・仕上げる曲を1曲決める(自分の世代の曲がおすすめ)
・難所を切り出して、ゆっくり固める
・月に一度録音して、前月と比べる
・伴奏音源に合わせてテンポ感を養う
▼ この時期の注意点
複数の曲に手を出すと、どれも完成しません。「仕上げる曲は1曲、他は気ままに」という配分にしてください。
▼ この時期のゴール
譜面を見ながらでも、1曲を止まらずに最後まで弾けることです。
▶ 速く弾けないのは、ゆっくり弾けていないから
▶ 伴奏音源を使った練習法
■ 第4段階:6ヶ月〜1年目「積み上げる」
▼ この時期にやること
・レパートリーを5曲まで増やす
・仕上げた曲を週1回は弾き直す(忘れ防止)
・弾ける曲と似たコード進行の曲を選んで効率化する
・必要に応じてギターの調整・買い替えを検討する
▼ この時期の注意点
新しい曲に移った瞬間、前の曲を忘れ始めます。復習の時間を練習の中に組み込んでください。
また、この時期に伸び悩みを感じる人が多くなります。これは自然な現象です。必要な練習量が、初期より増えているだけです。
▼ この時期のゴール
譜面なしで弾ける曲が3〜5曲ある状態です。
■ 第5段階:1年目以降「外に出る」
▼ この時期の選択肢
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| 家族・友人に聴かせる | 最もハードルが低い |
| スタジオで個人練習 | 大音量を体験する |
| 演奏を録画して残す | 顔出しなしでも成立 |
| セッション会に参加 | 誰かと合わせる第一歩 |
| バンドを組む | 同世代のメンバーを探す |
▼ この時期の考え方
外に出ることは必須ではありません。一人で弾き続けるのも立派な選択です。
ただ、「やってみたいが自信がない」という理由だけで止まっているなら、その障壁の多くは思い込みです。同じことを考えている同世代は、想像より多くいます。
▶ 初めてのリハーサルスタジオ利用ガイド
▶ スマホで演奏動画を撮ってみる
▶ 大人になってからバンドを組む方法
■ 各段階でつまずいたときの対処
| つまずき | 対処 |
|---|---|
| コードが押さえられない | 弦高を確認する・省略形を使う |
| 続かない | 時間帯を変える・5分でよいと決める |
| 速く弾けない | テンポを半分に落とす |
| 上達の実感がない | 月1回の録音で定点観測する |
| 何が問題かわからない | 一度プロに見てもらう |
「技術が足りない」と結論づける前に、環境と順番を疑ってみてください。多くの場合、そちらに原因があります。
▶「押さえにくい」の原因は弦高かもしれません
▶ 無料体験レッスンの流れとチェックリスト
▶ 1年目によくある疑問Q&A20
■ 1年でどこまで行けるか
1日30分を1年続けると、約180時間になります。これは、譜面なしで数曲弾ける状態には十分な量です。
もちろん、毎日弾けない日もあります。それでも、1年という単位で見れば確実に積み上がります。50代からの再開で必要なのは、才能でも体力でもなく、この地図と、今日の30分です。
■ まとめ
| 段階 | 期間 | ゴール |
|---|---|---|
| 準備と再会 | 0〜1週目 | 3コードで8小節 |
| 習慣化 | 1〜3ヶ月目 | 週の練習日数が安定 |
| 1曲を仕上げる | 3〜6ヶ月目 | 1曲を通して弾ける |
| 積み上げる | 6ヶ月〜1年 | レパートリー3〜5曲 |
| 外に出る | 1年目以降 | 誰かと合わせる |
今の自分がどの段階にいるかを確認して、その段階のことだけに集中してください。先の心配は、その段階に来てからで間に合います。


コメント