「バンドにギターが2人いるが、2人とも同じコードを弾いていて、音が団子になる」「セッションで他のギタリストと重なって、何を弾けばいいか分からなくなった」——バンドやセッションに参加し始めた方から聞く悩みです。
ギターが2本ある編成では、同じことを弾くと音が濁ります。逆に、役割を分けると一気に厚みが出ます。
この記事では、2本のギターをどう住み分けるかを整理します。
■ なぜ同じことを弾くと濁るのか
同じコードを同じ高さで、同じリズムで弾くと、次のことが起きます。
・同じ周波数帯に音が集中する
・わずかなタイミングのずれが濁りとして聞こえる
・音量は増えるが、情報量は増えない
2本あるのに、1本のときより聞き取りにくくなる。これが「団子になる」状態です。
大事なのは音量ではなく、2本が別々の情報を出しているかどうかです。
■ 弾き分けの4つの方法
▼ ① 高さを変える(ボイシング)
同じコードでも、押さえる位置を変えれば響く音域が変わります。
・1人は低いポジション(開放弦を含む形)
・もう1人は高いポジション(5フレット以上のバレーやハイコード)
これだけで、音が重ならなくなります。最も簡単で効果の大きい方法です。
▼ ② リズムを変える
・1人は8分音符で刻む
・もう1人は伸ばす(ロングトーン)、またはアルペジオ
刻む側と支える側に分かれると、演奏に立体感が出ます。
▼ ③ 音色を変える
・1人はクリーン、もう1人は歪み
・1人はエレキ、もう1人はアコギ
音の性格が違えば、同じことを弾いても分離して聞こえます。
▼ ④ 役割を分ける
・1人はバッキング(コード)
・もう1人はリード(メロディ・オブリガード)
最も分かりやすい分担ですが、常にどちらかが前に出る必要はありません。曲の場面ごとに交代するのが自然です。
■ 場面ごとの考え方
| 場面 | 2本のギターの配分 |
|---|---|
| イントロ | 1本がメロディ、1本がコード |
| Aメロ | 音数を減らす(片方は休むのも有効) |
| Bメロ | 徐々に厚みを足していく |
| サビ | 2本とも鳴らして厚くする |
| 間奏 | 1本がソロ、1本がバッキング |
▼ 最も見落とされるのが「弾かない」という選択
Aメロで2本とも弾いていると、サビで盛り上げようがありません。片方が休む、あるいは音数を減らすことで、サビの厚みが際立ちます。
「常に何か弾いていなければ」という意識を外すと、バンド全体の音が良くなります。
■ 50代の再開者が担いやすい役割
速いソロやテクニカルなフレーズを弾く必要はありません。むしろ、次の役割は経験がある年代のほうが向いています。
▼ ① 安定したバッキング
一定のテンポでコードを刻み続ける役割です。派手ではありませんが、これが崩れるとバンド全体が崩れます。
▼ ② コードを伸ばして支える
複雑なことをせず、和音を伸ばして土台を作る役割です。音の隙間を埋め、全体をまとめます。
▼ ③ 音数を絞ったオブリガード
歌の合間に短いフレーズを入れる役割です。数音でも効果があり、速く弾く必要がありません。
派手さより安定と判断力が求められる役割で、若い人と競う必要がない領域です。
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■ 相手と話し合っておくこと
演奏前に決めておくと、当日が楽になります。
| 決めること | 例 |
|---|---|
| どちらが高いポジションか | 「自分は低め、あなたは高めで」 |
| 音色 | 「自分はクリーン中心で」 |
| ソロの担当 | 「間奏はお願いします」 |
| 音数を減らす場所 | 「Aメロは自分が休みます」 |
言葉で確認しておかないと、両方が同じことをやってしまいます。「どうしますか」の一言で、演奏の質は変わります。
■ 一人で練習するときにできる準備
▼ 原曲でギターパートを聴き分ける
多くの曲で、ギターは複数録音されています。左右のスピーカーで別のギターが鳴っていることも多いので、片側ずつ聴いてみてください。
「2本がどう分かれているか」が分かると、自分がどちらを弾くべきかの判断がつきます。
▼ 同じコードを違う位置で弾けるようにしておく
Cコードを、開放弦の形と高いポジションの両方で弾けるようにしておくと、その場で対応できます。これは一人でも練習できます。
▼ 「弾かない」練習をする
曲を通しながら、意図的に弾かない小節を作る練習です。これができると、バンドで音を減らす判断ができるようになります。
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■ まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 問題 | 同じ高さ・同じリズムだと濁る |
| 方法① | 押さえる位置(高さ)を変える |
| 方法② | 刻む側と伸ばす側に分かれる |
| 方法③ | 音色を変える |
| 方法④ | バッキングとリードで分担 |
| 重要 | 「弾かない」という選択肢を持つ |
| 準備 | 同じコードを複数の位置で弾けるように |
2本あるのに1本より聞き取りにくいのは、同じことを弾いているからです。まずは押さえる位置を変えるところから試してみてください。


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