「エレアコってどうやって音を拾っているんだろう」「ピックアップにも種類があるって聞いたけど、何が違うの?」——アンプに繋げるアコギ(エレアコ)を検討している50代の方から、こんな声をよく聞きます。
アコースティックギターは、弦の振動がボディに伝わり共振して音が増幅されるという構造になっています。小さな会場や自宅では生演奏で十分な音量を得られますが、大きな会場やバンドでの演奏では、音を増幅する必要が出てきます。そこで使われるのが「ピックアップ」です。
この記事では、50代のギター再開者向けに、エレアコのピックアップの種類と選び方を解説します。
■ ピックアップとは何か
アコースティックギターに取り付けることができる専用の集音装置です。ギターの前にマイクを立てて音を拾う方法もありますが、演奏中に動けなくなる、他の楽器の音を拾ってハウリングしやすいといった制限が多くあります。ピックアップを使うことで、こうした制限を気にせず演奏できるようになります。
■ ピックアップの主な種類
▼ ① アンダーサドルピエゾ(最も一般的なタイプ)
アコギのブリッジ裏側、サドルの下にピエゾ素子(圧力を電気に変換する素材)を仕込んだタイプです。エレアコに搭載されているピックアップの中では最も多いタイプで、多くの市販エレアコがこれを採用しています。
メリット: ハウリングに強く、表面から見えない。バンドの中でも音が抜けやすい。
デメリット: いわゆる「ピエゾ臭い」と表現される、ペキペキとした少し不自然な音になりやすい。
▼ ② マグネティックピックアップ
エレキギターに使われているものと構造的には同じです。磁石とコイルが弦の振動を電気信号に変え、出力します。サウンドホールに挟み込むだけで使えるものが多く、取り付けも簡単です。
メリット: ハウリングに強い。ギター本体への加工が不要。エレキギターに近い音質。
デメリット: ナイロン弦(クラシックギター)には使用できない(スチール弦専用)。アコギらしい柔らかさはやや控えめ。
▼ ③ コンタクトピックアップ(貼り付けタイプ)
ボディの表面や裏面に貼り付けるタイプのピエゾです。原理はアンダーサドルと同じですが、貼り付ける位置によって「コンタクト」と呼ばれます。ボディの振動を拾うため、弦を弾く音だけでなく、ボディを叩く「ボディヒット」の音も拾えるのが特徴です。
メリット: 加工不要で導入しやすい。生音に近い自然な響きが得られやすい。ボディヒットの表現ができる。
デメリット: ハウリングにやや弱い。貼り付ける場所によって音質が変わる。
▼ ④ コンデンサーマイク
ギター内部に小型のマイクを取り付けて音を拾うタイプです。変換された電気信号ではなく、音そのものを拾うため、生に近い自然なサウンドが得られます。
メリット: アコースティックギター特有の煌びやかな高域と空気感を、忠実に再現できる。
デメリット: マイクという性質上、ハウリングに最も弱い。大音量のバンドでの使用には不向き。
■ どのタイプを選べばいいか:目的別ガイド
| 演奏スタイル | おすすめのタイプ |
|---|---|
| バンドでアコギを弾く | マグネティック、またはアンダーサドルピエゾ |
| ソロ弾き語り・インスト | アンダーサドルピエゾ、またはコンタクトマイク |
| ソロギターのみ | コンタクトマイク、またはデュアル(複合)タイプ |
| コストを抑えたい | コンタクトピエゾ(パッシブタイプ) |
ハウリング耐性を最優先するなら、アンダーサドルピエゾまたはマグネティックタイプが安心です。音の自然さを重視するなら、コンタクトタイプやコンデンサーマイクが向いています。
■ 複数のピックアップを組み合わせる「デュアルタイプ」
近年特に人気があるのが、複数のピックアップを組み合わせたミックスタイプです。「アンダーサドルピエゾ+コンデンサーマイク」や「マグネティック+コンタクト」など、様々な組み合わせがあります。
それぞれのピックアップの弱点を補い合い、より高品位な音質を実現できるのが特徴です。ブレンド具合を調整できる製品も多く、シチュエーションに合わせて自分好みの音に近づけることができます。
例えば、マグネティックで音の土台となる中低域を出力し、コンデンサーマイクで空気感と高域を加えるという方法があります。多くのアーティストがこうした複合システムを採用しており、こだわりを持って音作りをするプレイヤーに人気があります。
■ 後付けする場合の加工の程度
エレアコとして最初からピックアップが内蔵されているモデルもあれば、通常のアコギに後から取り付ける方法もあります。加工の程度は、選ぶタイプによって異なります。
| タイプ | 加工の程度 |
|---|---|
| 外部貼り付けコンタクト・マグネティック(差し込み式) | 加工不要・最も手軽 |
| 内部貼り付けコンタクトピエゾ | 軽度の加工が必要 |
| マグネティック(穴開けタイプ) | サウンドホール周辺に小さな穴開けが必要 |
| アンダーサドルピエゾ | ブリッジへの穴開け・プリアンプ設置が必要 |
自分で加工を行う場合は専用工具が必要になるため、自信がなければリペアショップに依頼することをおすすめします。
■ ピックアップにも「パッシブ」と「アクティブ」がある
ピックアップには、電池が不要な「パッシブ型」と、電池が必要な「アクティブ型」があります。アクティブ型は、ピックアップシステムのプリアンプを駆動させるために電池が必要です。演奏中に電池が切れると音が出なくなるため、予備の電池を持っておくと安心です。
■ 50代がピックアップ選びで意識したいポイント
▼ まずは自分の演奏スタイルを整理する
どんな場所で演奏することが多いか、バンドでの使用か、ソロでの演奏かなど、自分の演奏スタイルを整理してから選ぶと、選択肢が絞りやすくなります。
▼ 迷ったら手軽なタイプから試す
加工不要の外部貼り付けコンタクトタイプやマグネティック型がおすすめです。費用対効果の高いモデルも多く、ピックアップの世界への入門として最適です。本格的なシステムへのアップグレードは、使いながら自分の好みを把握してからでも遅くありません。
▼ 手持ちのエレアコの音が気に入らない場合
すでにエレアコを持っている場合でも、サウンドが気に入らなければ、あえて別のピックアップへ換装するという選択肢もあります。
■ まとめ:ピックアップの種類と特徴
| タイプ | 音の特徴 | ハウリング耐性 |
|---|---|---|
| アンダーサドルピエゾ | ペキペキした特有の音・抜けが良い | 強い |
| マグネティック | エレキ寄りの音・ウォームでやわらかめ | 強い |
| コンタクト | 生音に近い・ボディヒットも拾える | やや弱い |
| コンデンサーマイク | 最も生音に近い・空気感がある | 最も弱い |
ピックアップの種類を知ることは、自分の理想のエレアコサウンドに近づく第一歩です。50代のギターライフに、ぜひこの知識を取り入れてみてください。
■ 音作りをプロに相談したい方へ
自分の演奏スタイルに合ったピックアップ選びは、オンラインレッスンでプロに相談すると具体的なアドバイスが得られます。


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