「初めてライブに出るけど、曲順ってどう決めればいいんだろう」——過去記事「ライブ当日のリハーサルの流れと持ち物」「ライブハウス出演の仕組みを知る」など、本番に向けた準備をご紹介してきましたが、セットリスト(演奏する曲順)の組み方も、意外と悩ましいポイントです。
セットリストは単なる演奏する曲の羅列ではなく、お客さんに何を届けたいかを設計する一つの「物語」だとされています。この記事では、50代のギター再開者向けに、セットリストの組み方の基本を解説します。
■ まず「持ち時間」を確認する
セットリストを考える上で、現実的な問題として、まずライブの「尺(持ち時間)」を把握する必要があります。一般的な弾き語りのブッキングライブであれば、出番は30分程度が相場とされています。過去記事「ライブハウス出演の仕組みを知る」でも触れたように、対バン形式では、限られた持ち時間の中で演奏することになります。
持ち時間が決まったら、それに合わせて何曲演奏できるかを逆算していきます。
■ セットリストは「料理」に例えられる
セットリストやアルバムの曲順は、しばしば「コース料理」に例えられます。メインディッシュがいきなり最初に来ることはないように、曲順にも自然な流れが求められます。
▼ 基本の考え方
まずやりたい曲をピックアップするところから始め、6〜7曲くらいをリストアップし、そこから持ち時間に合わせて絞り込んでいくという方法が、一般的な進め方として紹介されています。
■ 多くのバンドが共通して押さえている「基本の型」
セットリストの組み方に唯一の正解はありません。ジャンルによっても、会場の規模によっても、最適な曲順は変わってきます。それでも、多くのバンドが共通して押さえている、いくつかの基本的な考え方があります。
▼ 最初の曲でお客さんの心を掴む
序盤は、お客さんの注意を引きつける、テンポの良い曲やインパクトのある曲を持ってくることが多いとされています。
▼ 中盤で緩急をつける
ずっと同じテンションの曲が続くと、聴いている側も飽きてしまいます。過去記事「拍子の感じ方の違い」でも触れたように、テンポや雰囲気の異なる曲を組み合わせることで、演奏全体にメリハリが生まれます。
▼ 終盤でクライマックスを作る
最も自信のある曲や、盛り上がる曲を終盤に持ってくることで、ライブ全体の印象を強く残すことができます。
■ セットリスト提出という実務的な側面も知っておく
多くのライブハウスでは、事前に用紙を渡され、必要事項を記入する形式が一般的です。セットリストは、単に自分たちのためだけではなく、PA(音響スタッフ)や照明スタッフが、リハーサルや本番で正確に対応するための大切な資料でもあります。
▼ セッティング図もあわせて用意する
使用する機材の配置やメンバーの立ち位置を示す「セッティング図」も、スタッフにとって重要な情報の一つです。過去記事「ライブ当日のリハーサルの流れと持ち物」でも触れたように、ギターが複数いる場合は、アンプの機種も書いておくと、スタッフとのやり取りがスムーズになります。
■ 覚え方のコツ:通し練習が最も効果的
もっとも効果的なセットリストの覚え方は、実際のライブを想定した「通し練習」を繰り返し行う方法だとされています。セットリストを通して演奏を繰り返すことで、曲間の流れやMCのタイミングも身体に染み込ませることができます。
▼ 本番に近い環境を作る工夫
通し練習を行う際には、時間を測ったり、動画を撮ったりして、できるだけ本番に近い環境を作ると、より効果的です(過去記事「演奏動画の撮り方」も参考にしてください)。
▼ イメージトレーニングも活用する
過去記事「寝る前のイメージトレーニングで上達する」でも触れたように、頭の中でライブの流れや曲順を思い浮かべるイメージトレーニングも、セットリストを覚える上で有効な練習法です。移動中や家事をしている間でも取り組めるのが利点です。
■ 自分たちの「イメージ」を意識する
セットリストは、曲順だけでなく、ステージング全体を含めてこそのものだという考え方もあります。バンドや自分自身が持つイメージ・世界観と、選ぶ曲やパフォーマンスの雰囲気が一致していることが大切です。
例えば、落ち着いた雰囲気を大事にしたいのに、演奏や動きだけが派手になってしまうと、お客さんが違和感を感じてしまうこともあります。過去記事「ライブや発表会での服装選び」でも触れたように、服装・演奏・曲順、全体としての統一感を意識することが、お客さんを楽しませる演奏につながります。
■ 50代がセットリストを考える際の心構え
▼ 完璧を目指しすぎない
初めてのセットリスト作りでは、細かいことにこだわりすぎず、まずは基本的な流れ(掴み→緩急→クライマックス)を意識するだけでも十分です。
▼ 一人で決めず、共演者やスタッフとも相談する
バンドで演奏する場合は、メンバーとよく話し合うことが大切です。過去記事「バンドで2人のギタリストがいる場合の役割分担」でも触れたように、お互いの意見をすり合わせることが、良い演奏につながります。
▼ 自分たちが伝えたいことを大切にする
セットリストは、お客さんに何を届けたいかを設計する「物語」です。技術的な完成度だけでなく、自分たちが本当に演奏したい曲、伝えたい気持ちを大切にすることも忘れないようにしましょう。
■ 50代がこの知識を持つメリット
▼ 初めてのライブへの不安が減る
セットリストの組み方という具体的な指針を知っておくことで、初めてのライブ出演への不安を、少しでも軽減できます。
▼ 演奏全体をより深く楽しめるようになる
過去記事「上達すると音楽の聴こえ方が変わる」でも触れたように、こうした構成的な視点を持つことで、他のアーティストのライブを観る際にも、新しい楽しみ方ができるようになります。
▼ 長年の音楽経験が活きる
長年様々な音楽を聴いてきた50代の方には、「どんな曲順だとお客さんが楽しめるか」という感覚が、すでにある程度備わっているはずです。
■ 50代がセットリスト作りに取り組む際のアドバイス
▼ まずは持ち時間の確認から
演奏できる曲数の目安を、まず持ち時間から逆算してみましょう。
▼ 基本の型を意識してみる
「掴み・緩急・クライマックス」という基本的な流れを、まずは参考にしてみることをおすすめします。
▼ 通し練習で仕上げる
一曲一曲を仕上げるだけでなく、セットリスト全体を通して演奏する練習も、本番前にしっかり行いましょう。
■ まとめ:セットリストの組み方の基本
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 最初のステップ | ライブの持ち時間を確認する |
| 基本の型 | 掴み→緩急→クライマックスという流れを意識する |
| 実務的な準備 | セットリスト用紙・セッティング図をスタッフ用に用意する |
| 覚え方のコツ | 通し練習・イメージトレーニングを活用する |
| 大切な視点 | セットリストは「お客さんに届けたい物語」 |
セットリストの組み方に、唯一の正解はありません。50代のギターライフに、この基本の考え方を取り入れて、自分たちらしい演奏の流れを作ってみてください。
■ ライブに向けた準備をプロと一緒に進めたい方へ
セットリストの組み方や本番に向けた準備は、オンラインレッスンでプロに相談すると安心して臨めます。


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