「うまくなりたい」——ギターを再開するとき、多くの方がこう考えます。しかしこの目標には、致命的な問題があります。
達成したかどうかを判定できないのです。
判定できない目標は、いつまでも達成されません。半年経っても「まだうまくない」と感じ続けることになり、それが挫折の原因になります。
この記事では、続けられる目標の作り方を整理します。
■ 悪い目標・良い目標
▼ 続かない目標の例
| 目標 | 問題点 |
|---|---|
| うまくなりたい | 達成の判定ができない |
| 毎日必ず練習する | 1日途切れると全部崩れる |
| 3ヶ月で〇〇が弾けるように | 期限を守れないと失敗になる |
| プロみたいに弾きたい | 到達点が遠すぎて実感がない |
▼ 続く目標の例
| 目標 | 良い点 |
|---|---|
| 〇〇を最後まで止まらずに弾く | 達成が明確 |
| 週5日はギターに触る | 途切れる余地が組み込まれている |
| 家族に1曲聴かせる | 期限より状態が基準 |
| コードチェンジを1分30回 | 数字で確認できる |
違いは「達成したかどうかが自分で判定できるか」です。
■ 目標を3階層に分ける
1つの目標だけを持つと、達成するまでの期間が長すぎて実感が得られません。3つの階層に分けてください。
▼ 階層1:今週の目標(行動)
例:週5日、ギターに触る/Fコードの練習を1日10分
「やったかどうか」で判定できるものにします。上達は含めません。
▼ 階層2:今月〜3ヶ月の目標(成果)
例:〇〇のAメロを止まらずに弾く/レパートリーを1曲増やす
具体的な曲や技術を1つだけ指定します。複数入れると分散します。
▼ 階層3:1年の目標(状態)
例:譜面なしで弾ける曲が3曲ある/セッションに一度参加する
到達したときの「状態」で書きます。期限より状態が基準です。
この3層があると、今日やることが1年の目標につながっている感覚が保てます。
■ 50代の再開者が陥りやすい3つの罠
▼ 罠① 若い頃の自分を基準にする
「昔はこれくらい弾けた」を基準にすると、常に不足を感じることになります。基準にすべきは先月の自分です。
▼ 罠② 他人と比べる
動画サイトには上手い演奏が無数にあります。それらは基準ではなく、参考資料として見てください。比較対象にすると、ほぼ確実に落ち込みます。
▼ 罠③ 目標を高く設定しすぎる
意欲が高いときほど、達成困難な目標を立てがちです。「5回中3〜4回成功する」程度が、最も伸びる難易度です。10回に1回しか成功しない目標は、高すぎます。
■ 目標は「上達」以外でもいい
再開の目的は人それぞれです。上達が目的でない目標も、まったく正当です。
・弾いている時間が心地よければ十分
・気分転換の手段として使えればよい
・弾ける曲を維持できればよい
・音楽仲間ができればよい
これらを目標に据えると、上達しない時期があっても失敗になりません。むしろ長く続く形です。
「上手くならなければ意味がない」という思い込みが、趣味を苦行に変えてしまうことがあります。
■ 目標を見直すタイミング
▼ 3ヶ月ごとに確認する
・達成したものは記録して、次を設定する
・達成できなかったものは、高すぎなかったかを確認する
・興味が変わっていたら、迷わず変更する
目標は契約ではありません。合わなくなったら変えて構いません。
▼ 達成できなかったときの扱い
自分を責めるのではなく、目標側を疑ってください。
・難易度が高すぎたのか
・時間の見積もりが甘かったのか
・そもそも興味がなかったのか
このどれかであることがほとんどです。
■ 目標を書き出しておく
頭の中だけに置いておくと、いつの間にか変わってしまいます。紙かスマホのメモに書いて、たまに見返せる場所に置いてください。
書き方の例:
【今週】週5日、ギターに触る
【3ヶ月】〇〇を譜面なしで通して弾く
【1年】弾ける曲を5曲にする/人前で1回弾く
3行で十分です。
■ まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 悪い目標 | 達成の判定ができない(例:うまくなりたい) |
| 良い目標 | 判定できる(例:止まらずに1曲弾く) |
| 3階層 | 今週は行動、3ヶ月は成果、1年は状態 |
| 罠 | 昔の自分・他人・高すぎる設定 |
| 上達以外 | 「心地よければよい」も正当な目標 |
| 見直し | 3ヶ月ごと、合わなければ変更 |
目標は自分を追い込む道具ではなく、迷わないための地図です。まずは3行、書き出してみてください。


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