「何度弾いても、ソロの途中で分からなくなる」「TAB譜を見れば弾けるが、外すと止まる」——コードは覚えられるのに、ソロだけ覚えられないという方は多くいます。
コードとソロでは、記憶の仕方が違います。コードは「形」で覚えられますが、ソロは音の並びなので、形だけでは追いきれません。
この記事では、ソロを覚えるための具体的な手順を整理します。
■ なぜソロは覚えにくいのか
▼ ① 情報量が多い
4小節のソロでも、音数は20〜40程度になります。コード4つを覚えるのとは、記憶する量が桁違いです。
▼ ② 手がかりが少ない
コードには「Cの形」「Gの形」という名前と形があります。ソロの音の並びには、そうした呼び名がありません。
▼ ③ 指の動きだけで覚えようとしている
「ここで人差し指、次に薬指」と動作の順番だけで覚えると、1箇所つまずいた瞬間に全部分からなくなります。動作の記憶は、途中から再開できません。
■ 覚え方の基本方針:意味をつける
ソロを覚えるコツは、音の並びに意味を与えることです。意味があると、記憶は途端に安定します。
具体的には、次の3つの方法があります。
▼ ① メロディとして覚える
歌えるようにすることです。弾く前に、ソロを口ずさめるかどうかを確認してください。
歌えないフレーズは、弾けても記憶に残りません。逆に、歌えるフレーズは指も自然に動きます。
▼ ② ポジションの塊で覚える
音を1つずつ覚えるのではなく、「5フレット付近で動く」「7フレットに移動する」という位置の移動として捉えます。
多くのソロは、いくつかのポジションを行き来する構造になっています。移動の地点だけ覚えれば、その中の動きは指が覚えます。
▼ ③ スケールとの関係で覚える
ペンタトニックスケールなどの型を知っていると、「この型の中を動いている」と理解できます。すると、覚える対象が「音の並び」から「型の中のどこか」に変わり、負担が激減します。
■ 具体的な手順
▼ ステップ1:ソロを歌えるようにする
ギターを持たず、原曲を聴いてソロを口ずさみます。完璧でなくて構いません。「タラララー」程度で十分です。
これができないうちに指を動かし始めると、覚えるのに何倍も時間がかかります。
▼ ステップ2:2〜4小節に切る
ソロ全体を一度に扱わず、短く切ります。フレーズの切れ目(息継ぎのような場所)で分けると自然です。
▼ ステップ3:1区間ずつ、ゆっくり弾く
原曲の半分のテンポで構いません。TAB譜を見ながら、確実に鳴らせる速さで繰り返します。
▼ ステップ4:TAB譜を隠して弾く
ここが最も重要な工程です。見ながら10回弾くより、隠して1回弾くほうが記憶に残ります。
思い出せなければ見て構いません。「思い出そうとする」行為そのものが記憶を強化します。
▼ ステップ5:区間をつなげる
1区間ずつ覚えたら、2区間続けて、次に3区間と、つなげる範囲を広げていきます。
▼ ステップ6:翌日に確認する
1日空けてから弾いてみてください。忘れていた箇所が、本当に覚えられていない部分です。そこを重点的に繰り返します。
▶ 速く弾けないのは、ゆっくり弾けていないから
▶ 1曲を最後まで仕上げる手順
■ よくある失敗
▼ ① TAB譜を見続けている
見ながら弾いている限り、覚える必要がないので記憶されません。早い段階で隠してください。
▼ ② 全体を頭から繰り返している
前半ばかり上手くなり、後半は毎回曖昧なまま終わります。区間に切って、覚えていない部分だけを練習してください。
▼ ③ 速く弾こうとしている
速度を上げると、指の動きに意識が奪われ、記憶の作業ができなくなります。覚える段階では速さを求めないでください。
▼ ④ 1日で覚えようとしている
記憶は、間隔を空けて繰り返すことで定着します。1日3時間より、3日間30分ずつのほうが確実に残ります。
■ 50代の記憶の使い方
若い頃のような丸暗記は難しくなりますが、代わりに使えるものがあります。
▼ 理解して覚える
「このフレーズはペンタトニックの型の中を上がっている」と理解できれば、丸暗記より少ない労力で覚えられます。理屈で整理するやり方は、経験のある年代のほうが得意です。
▼ 何度も思い出す
覚える回数より、思い出す回数が記憶を強化します。練習の最初に「昨日のソロを弾いてみる」を入れるだけで、定着が変わります。
▼ 睡眠を挟む
運動技能の記憶は、睡眠中に整理されると考えられています。夜に練習して寝る、翌朝確認する、という流れは理にかなっています。
▶ 寝る前のギターとの付き合い方
▶ 曲は「構造」で聴くと覚えが早くなる
■ 覚えられないソロは、難しすぎるのかもしれない
数週間取り組んでも進まない場合、そのソロが今の実力に対して難しすぎる可能性があります。
・音数が多すぎる
・ポジション移動が頻繁すぎる
・テンポが速すぎる
一度棚に上げて、音数の少ないソロを1つ覚えてから戻ると、あっさり進むことがあります。ブルースやオールディーズのソロは、音数が少なく覚えやすいものが多くあります。
▶ ギター初心者の耳コピ入門
▶ ジャンル別おすすめ練習曲10選
■ まとめ
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1 | ソロを口ずさめるようにする |
| 2 | 2〜4小節に切る |
| 3 | ゆっくり弾いて音を確認 |
| 4 | TAB譜を隠して思い出す |
| 5 | 区間をつなげる |
| 6 | 翌日に確認して弱い箇所を特定 |
指の動きではなく、メロディとポジションで覚える。これがソロを記憶に残す最短の道です。まずは口ずさめるかどうか、確認してみてください。


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