50代からのギター再開|アドリブで何を弾けばいいか分からないときの考え方

ギター練習

「スケールは覚えたのに、いざアドリブとなると手が止まる」「弾いてはいるが、ただ音を並べているだけに聞こえる」——アドリブに取り組み始めた方が、最初に感じる壁です。

原因は、スケールの知識不足ではありません。スケールは「使える音の範囲」を示すだけで、何を弾くかは教えてくれないからです。

この記事では、アドリブで何を弾くかの考え方を整理します。


■ スケールを覚えても弾けない理由

▼ スケールは地図であって、道順ではない

Aマイナーペンタトニックを覚えると、「この5音を使えば外れない」ことは分かります。しかし、その5音をどう並べるかは別の問題です。

地図を持っていても、どこへ行くかを決めていなければ動けません。アドリブで手が止まるのは、この状態です。

▼ 音を「外さないこと」が目的になっている

間違えないことに意識が向くと、スケールを機械的に上下するだけの演奏になります。外れていないが、音楽になっていない状態です。

▶ スケールとコードの関係


■ 発想の転換:フレーズを話し言葉として捉える

アドリブは、会話に似ています。

・単語(音)を並べただけでは意味が通じない
・短い文(フレーズ)にまとめると意味が生まれる
・文と文の間に「間」があると聞き取りやすい

多くの人が、単語を延々と並べ続けています。まず、短い文を作ることから始めてください。


■ 実践その1:2小節だけ弾いて、2小節休む

最初に取り組むべきはこれです。

・2小節だけ何か弾く
・次の2小節は完全に休む
・これを繰り返す

休むことに抵抗を感じるかもしれませんが、間があるほうがフレーズは印象に残ります。埋め尽くされた演奏は、聞いている側には情報が多すぎて記憶に残りません。

しかも、休んでいる間に「次に何を弾くか」を考えられます。ずっと弾いていると、考える余裕がありません。


■ 実践その2:3〜5音で1フレーズを作る

短い音数で1つのまとまりを作ります。

・3音でも成立する
・同じ音を繰り返しても構わない
・最後の音を長めに伸ばすと、まとまりが出る

「音数が少ないと物足りないのでは」と思われがちですが、逆です。少ない音数のフレーズのほうが、聴き手には残ります。


■ 実践その3:同じフレーズを2回繰り返す

作ったフレーズを、そのまま2回繰り返してみてください。

・1回目:フレーズを提示する
・2回目:聴き手が「またこれだ」と認識する

これだけで、即興が「意図のある演奏」に聞こえます。ブルースやロックの名演には、この繰り返しが非常に多く使われています。

さらに、3回目で少しだけ変える(最後の音を変える、1音足す)と、展開が生まれます。


■ 実践その4:目標の音を決めてから弾く

「どこへ向かうか」を決めておくと、途中の音が自然に決まります。

・コードが変わる瞬間に、その和音の構成音に着地する
・小節の頭でルート音を鳴らす

着地点さえ決まっていれば、そこまでの道のりは自由に選べます。これが「音を並べる」から「フレーズを弾く」への転換点です。


■ 実践その5:好きなフレーズを覚えて使う

ゼロから生み出す必要はありません。プロも、覚えたフレーズの組み合わせで演奏しています。

・好きなソロから2〜4小節を切り出して覚える
・それを別の曲で使ってみる
・少しずつ変形させる

こうして覚えたフレーズの引き出しが増えると、アドリブの選択肢が増えます。5個も持っていれば、組み合わせでかなりのことができます。

▶ ギターソロが覚えられないときの手順

▶ ギター初心者の耳コピ入門


■ 50代の再開者が有利な点

▼ 「歌える」感覚がある

長年音楽を聴いてきた蓄積があるため、良いフレーズとそうでないものの判断がつきます。この耳は、若い頃には持っていなかったものです。

▼ 速く弾く必要がない

アドリブ=速弾きではありません。むしろ、少ない音数で間を活かす演奏は、落ち着きのある年代のほうが向いています。

▼ 引き算ができる

若い頃は、覚えたことを全部使いたくなります。何を弾かないかを選べるのは、経験の効く部分です。


■ 練習の進め方

▼ 伴奏音源を使う

ドラムとベースが入った音源に合わせて弾いてください。1人で弾くと、リズムの基準がなく、フレーズの位置が定まりません。

▼ 録音して聴き返す

弾いている最中は、自分が何を弾いたか正確には覚えていません。録って聴くと、「同じフレーズばかり」「休みがない」といった傾向が見えます。

▼ 1つのスケール、1つのキーで続ける

複数のキーやスケールに手を広げず、まずはAマイナーペンタトニック1つで数ヶ月続けてください。使える音を熟知しているほうが、フレーズを作ることに集中できます。

▶ 伴奏音源を使った練習法

▶ 練習記録のつけ方


■ まとめ

実践内容
12小節弾いて2小節休む
23〜5音で1フレーズを作る
3同じフレーズを2回繰り返す
4着地点を決めてから弾く
5好きなフレーズを覚えて使う
練習伴奏音源+録音、1つのスケールで続ける

アドリブは、音を埋めることではありません。まずは2小節弾いて、2小節休むところから試してみてください。

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