このブログの記事数が500本になりました。
50代でギターを再開する方に向けて書き続けてきましたが、書き重ねるうちに見えてきたことがあります。それは、つまずく場所がだいたい決まっているということです。
節目として、その内容をまとめておきます。500本の中で繰り返し扱ってきた、本当に重要な部分だけを抜き出しました。
■ わかったこと① 挫折の理由は「難しさ」ではない
再開して止まってしまう理由を挙げてもらうと、多くの人が「思ったより難しかった」と答えます。しかし話を聞いていくと、実際の原因は別のところにあります。
・弾く時間帯が生活に合っていなかった
・音を出せる環境がなかった
・上達が実感できなかった
・痛みが出て、そのまま遠ざかった
いずれも、技術ではなく環境と設計の問題です。ここを整えずに「もっと練習しなければ」と考えると、うまくいきません。
■ わかったこと② 楽器のせいであることが多い
「押さえられない」「指が痛い」「Fコードが鳴らない」——この3つは最頻出の悩みですが、原因が楽器側にあるケースが非常に多くあります。
弦高が高い、ネックが反っている、弦が太すぎる。数千円の調整で解決することを、何ヶ月も練習不足のせいにしている方が大勢います。
自分の技術を疑う前に、まず楽器の状態を確認する。これは500本書いて最も強く感じたことのひとつです。
▶「押さえにくい」の原因は弦高かもしれません
▶ 押し入れのギター、まだ使えます
■ わかったこと③ 上達は「見えない」だけ
半年続けても実感が湧かない、という声を何度も聞きました。しかし録音を聴き比べると、ほぼ全員が変化しています。
上達していないのではなく、比較する材料がないだけです。
毎日少しずつ変わるものは、その渦中にいる人には見えません。月に一度録音して残す——これだけで、この問題の大半は解決します。
■ わかったこと④ 若い頃の自分が最大の敵
50代の再開に固有の問題がこれです。
「昔はこれくらい弾けた」を基準にすると、常に不足を感じることになります。指の皮膚も、筋力も、回復力も、条件が変わっています。条件が違うものを比べても意味がありません。
比較対象を「先月の自分」に置き換える。これができるかどうかで、続くかどうかが変わります。
■ わかったこと⑤ 休まないと続かない
最も多い中断理由は「飽きた」ではなく「痛くなった」です。
指、手首、肩、腰。50代では回復に時間がかかります。毎日弾くことを目標にすると、回復が追いつかないまま蓄積し、いずれ痛みとして表面化します。
最初から休む日を計画に入れておく。短期的には後退に見えるこの判断が、長期では正解になります。
▶ 休む日を先に決めておく
▶ 長く弾き続けるための体のケア総まとめ
■ わかったこと⑥ 目標が曖昧だと続かない
「うまくなりたい」という目標には、達成したかどうかを判定できないという問題があります。判定できない目標は、永遠に未達成のままです。
「〇〇を止まらずに弾く」「週5日ギターに触る」——自分で判定できる形にするだけで、続き方が変わります。
■ わかったこと⑦ 上達だけが目的でなくていい
これが最後で、最も伝えたいことです。
・弾いている時間が心地よければ十分
・気分転換の手段として使えればよい
・弾ける曲を維持できればよい
これらは立派な目的です。「上手くならなければ意味がない」という思い込みが、趣味を苦行に変えてしまいます。
50代からの再開は、誰かと競うためのものではありません。10年後も弾いていることのほうが、今日の30分より重要です。
■ 500本の中で、特に読まれた話題
繰り返し検索されているのは、次のような内容でした。
・Fコードが鳴らない
・指が痛い、いつまで続くのか
・夜に音を出せない
・何から練習すればいいかわからない
・50代から始めても間に合うのか
最後の項目について、あらためて書いておきます。
間に合います。仮に今53歳で70歳まで弾き続けるとすれば、1日30分でも約3,000時間です。3,000時間あれば、弾ける曲は数十曲になり、人前で演奏することもできます。
「もう50代だから」と考えるか、「まだ3,000時間ある」と考えるか。この差は、そのまま行動の差になります。
▶ 1年目によくある疑問Q&A20
▶ 悩み別・解決の手がかり索引
■ これからも書き続けます
このブログは、私自身が8年のブランクからギターを再開した経験をもとに書いています。うまく弾ける人間が教える立場で書いているのではなく、同じ場所でつまずいた人間として書いています。
だからこそ、500本のうち多くは「失敗のしかた」と「その避け方」についての記事になりました。
読んでくださっている方の中に、今まさに止まりかけている方がいるかもしれません。もしそうなら、ケースを開けて弦を替えるところから、もう一度始めてみてください。
指は、思ったより覚えています。


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